七尾仏壇細部に光る技仏壇組合が展示品作る - 中日新聞

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七尾仏壇の部位ごとの優れた技法を紹介する展示品を手掛けた七尾仏壇協同組合の布清信理事長＝七尾市府中町で

　国の伝統的工芸品「七尾仏壇」を手掛ける七尾市の七尾仏壇協同組合は、伝統技術の粋を集めた仏壇の魅力発信に活用する展示品七点を制作した。漆塗りや彫刻、蒔絵（まきえ）など優れた地元の伝統技術が各部位に施されていることを分かりやすく紹介する。近く県に納入し、伝統産業のＰＲに役立ててもらう。生活様式の変化などで仏壇の需要低迷が続き、新型コロナウイルスの影響も続く中、打開の一手として期待がかかる。　（中川紘希）

　コロナ禍で打撃を受ける伝統工芸を支援する県の緊急支援事業に採択され、八十万円の補助を受けて取り組んだ。市内の塗師、蒔絵師、彫刻師、木地師、金具師の計七人が結集し、仏壇を彩る部位七点を手掛けた。

　昨年六月から着手し同十二月末に完成。今月十四日の会合で組合員にお披露目された。今後は県が引き取り、各地で実施される伝統工芸のＰＲイベントなどで展示する予定。

　七尾仏壇を巡っては、仏壇を置く大きなスペースが必要で価格は数百万円と高価なため需要が低迷。都市部でのＰＲ展示が休止になるなど新型コロナウイルス感染拡大が追い打ちをかける。

　布清信（ぬのきよのぶ）理事長（７４）は「仏壇は眺めても楽しめ、心を潤し、信仰心を高めてくれる。展示を見て『いいもんだな』と思ってもらえれば」と期待した。

　七尾仏壇は狂いが少ない能登アテ、能登ヒバなどが使われた荘厳重厚さが特徴で室町時代が起源とされる。一九七八年に国伝統的工芸品になった。組合員の減少も課題となっている。