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モノを作る人間に「心理的安全」が必要な理由 - 日経ビジネスオンライン

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プロダクトデザインからブランディング、企業のビジネスデザインまで、多種多様なものづくりに取り組むデザイン・イノベーション・ファームTakram Japan(東京・渋谷)。その代表取締役でありデザインエンジニアの田川欣哉さんにとって、「聞くこと」は、今最もホットなテーマであり課題であるともいう。「聞く力」は新しいビジネスに何をもたらすのか。『LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる』(日経BP)を監訳した篠田真貴子さんとともに語り合った。対談前編。

ミーティング後の雑談で、私たちは実は大切な話をしていたのではないか

篠田真貴子(以下、篠田):「聞くこと」が今、田川さんにとって気になるテーマになっているとのことですが、まず、そのお話から聞かせていただけますか。

田川欣哉氏(以下、田川):僕らがデザインとエンジニアリングをつなぐ「Design Engineering」を掲げてTakramを設立してから15年になりますが、目下、初めての「コミュニケーションプレーブック」をつくっている最中なんです。

 これまで、自分たちにふさわしいコミュニケーションって何だろうとか、どういうコミュニケーションスタイルが僕らのクリエーティビティーやウェルビーイングを後押しするのか、といったことのスタンダードについて社内できちんと話したことがありませんでした。それで、互いのコンセンサスを探り合うということをやっている最中なんです。

<span class="fontBold">田川欣哉氏<br>Takram Japan代表取締役/デザインエンジニア</span><br>プロダクトサービスからブランドまで、テクノロジーとデザインの幅広い分野に精通するデザインエンジニア。これまで手がけた主なプロジェクトに、日本政府の地域経済分析システム「V-RESAS」のディレクション、メルカリのCXO補佐などがある。経済産業省・特許庁の「デザイン経営」宣言の作成にコアメンバーとして関わった。グッドデザイン金賞、 iF Design Award、ニューヨーク近代美術館パーマネントコレクション、未踏ソフトウェア創造事業スーパークリエータ認定など受賞多数。東京大学工学部卒業。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート修士課程修了。2015年から2018年まで英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート客員教授を務め、2018年に同校から名誉フェローを授与された。経済産業省産業構造審議会 知的財産分科会委員、日本デザイン振興会理事、東京大学総長室アドバイザーを務める。</a>

田川欣哉氏
Takram Japan代表取締役/デザインエンジニア

プロダクトサービスからブランドまで、テクノロジーとデザインの幅広い分野に精通するデザインエンジニア。これまで手がけた主なプロジェクトに、日本政府の地域経済分析システム「V-RESAS」のディレクション、メルカリのCXO補佐などがある。経済産業省・特許庁の「デザイン経営」宣言の作成にコアメンバーとして関わった。グッドデザイン金賞、 iF Design Award、ニューヨーク近代美術館パーマネントコレクション、未踏ソフトウェア創造事業スーパークリエータ認定など受賞多数。東京大学工学部卒業。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート修士課程修了。2015年から2018年まで英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート客員教授を務め、2018年に同校から名誉フェローを授与された。経済産業省産業構造審議会 知的財産分科会委員、日本デザイン振興会理事、東京大学総長室アドバイザーを務める。

篠田:それほど「コミュニケーションをどうするか」に、Takramのみなさんの問題意識がしっかり向いているのは、このコロナ禍でリモートワークになったことが影響しているのですか。

田川:それは大きいと思います。コロナ以前に、「コミュニケーションをどうしようか」なんて話をみんなとしたことはありませんでした。

 というのもTakramはずっと和気藹々(わきあいあい)とやってきて、コミュニケーションにも課題感がありませんでした。でも、今後コロナが収束したとしても、以前のように週5日出社する形にはたぶん戻らないでしょう。そういう中で、コミュニケーションをどうするかは、考えておかなくてはならない新しいテーマになりました。

篠田:リモートワークにしたことで、何が変わりましたか?

田川:すべての仕事時間が目的化してしまうんですよね。例えばミーティングってアジェンダが決まっていて、そのアジェンダが早めに終わることもありますよね。オフィスなら、そこでちょっと雑談が始まったり、廊下をゆっくり歩きながら言葉を交わしたりするのだけれど、オンラインだと終了したら即退出してしまいます。

 実は、話すことがなくなったあとにこそ、僕らは大事な話をしてきたのではないか、その大事な部分が押し流されてしまうような気がしてならないんですよ。

篠田:私が所属するエールは「オンライン1on1」サービスを提供するベンチャーですが、今言ってくださった課題感を持っているのは、たぶんTakramさんだけではなくて、私たちも同じようなことを感じていますし、エールのクライアントの大企業のみなさんもいろいろな形で感じていて、試行錯誤しているように思います。

田川:そうか、コロナ禍の共通の課題なのかもしれませんね。打ち上げとか会食がなくなって、仕事をしている顔しか見えなくなりました。会社の中でも、酔っ払ってばか話をしている僕を見たことのある人とない人では、僕に対するイメージが違ってくると思うんです。これは『LISTEN』にも書いてありましたが、仕事とプライベートの真ん中にあるようなところで交わされる目的のない会話、あれが大切だったんじゃないかなあ。

篠田:そういう場での会話って、「聞く」という面からいうと、判断を挟み込まれたり、評価されたりすることなく、互いに了解し合った中で自由な感じで聞いてもらえる場ですよね。それが、減ってしまった。

田川:そうです、そうです。オンラインだと目的が設定されているが故に、みんな合理的であろうとして、結論を導き出そうとしますよね。そうするとどうしても、聞いた話をジャッジしたり、絞り込んだりという方向に行く。

篠田:それはオンラインの属性でしょうか?

田川:いや、技術が未熟で追い付いていないだけで、目的設定のないコミュニケーションがオンラインで本質的にできないとは僕は思っていません。ただ、2021年時点の僕らとテクノロジーの関係でいうと、そこがまだまだ未成熟だということでしょう。

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January 20, 2022 at 03:00AM
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