映画デビュー60年を迎えた藤竜也(81)が3日、東京・恵比寿の豆腐店「豆富食堂」で、主演映画「高野豆腐店の春」(三原光尋監督、8月18日公開)完成報告イベントを開いた。

劇中で豆腐店の店主を演じた藤は「私、毎日、飯を作るのが趣味。豆腐のみそ汁を毎朝、作ります。ホッとして、あぁ…生きていて良かったと思う。そう感じていただける映画なんじゃないかと思います」と、私生活の一端を明かしつつ、映画をアピールした。

「高野豆腐店の春」は、三原光尋監督(59)が脚本も手がけたオリジナル作品。藤は、同監督の05年「村の写真集」に主演し、第8回上海映画祭で最優秀男優賞を受賞し、同作も最優秀作品賞を受賞。08年にも、同監督の「しあわせのかおり」に出演しており、「高野豆腐店の春」も脚本にほれ込み出演を熱望。同監督と15年ぶり3度目のタッグを組んだ。

物語の舞台は、尾道の風情ある下町の一角に店を構える高野豆腐店で、藤は愚直で職人気質な高野辰雄、明るく気立てのいい娘の春を、麻生久美子(45)が演じた。劇中では、春の再婚話が浮上したり、辰雄が偶然の出会いから独り身の老婦人・中野ふみえ(中村久美)に心ひかれてゆく、淡い恋模様も描かれる。

藤は、97年に藤の主演映画「猫の息子」に出演して以来26年ぶりとなった、麻生との共演について聞かれ「私は娘がおりませんので、お父さんが娘さんの結婚式で涙、流すのを見て、そんなもんかなと思った。麻生さんが心をこもった娘を演じてくださり、再婚話のあたりから、すっかり、あたふた…涙もろくなった。おやじってこんなものかと…」と、娘を持つ父の思いが初めて分かったと振り返った。そして「麻生さんのおかげで助かった。おかげさまで父を演じられたと」と、麻生に感謝したと明かした。