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“iXA CUP プロジェクト”が作る新たなeスポーツ観戦様式――賞金付き勝敗予想でよりアツい応援体験が実現 - ファミ通.com

tsukuru.prelol.com

 TEAM iXAは、ブロックチェーンを利用した新しいクラウドファンディング2.0“FiNANCiE(フィナンシェ)”、“スポーツ観戦に、革命を。”をミッションにスポーツのファンマーケティングを手掛ける"チアード"との共同プロジェクト”iXA CUP プロジェクト”にて、新しいeスポーツ大会のスキーム”iXA ENGINE“を開発した。

 このプロジェクトは、“戦う人も応援する人も夢中になれる”をテーマに、選手は“賞金”を、チームは“運営資金”を、観戦者は“試合の勝敗予想&賞金”というエキサイティングな“観戦体験”を、そして支援者は“夢を追いかける人の応援とさまざまな特典”を、という形で関わるすべての人にメリットが生まれるエコシステムになっているという。

 本稿では、TEAM iXAを中心としたこの一大プロジェクトの詳細を、各社のキーパーソンの解説を交えながらお伝えする。

iXA CUP プロジェクト
今回のプロジェクトのキーマンたち。

目次
-プロジェクト発足のきっかけは?
-観戦者も賞金獲得のチャンスが生まれる!? 大会開催と勝敗予想のスキーム
-iXACUPプロジェクトが成長すればトークンの価値が上昇する可能性があり、トークンは売買が可能
-勝敗予想による賞金は法律的に問題ないのか?
-キーマンたちはどのような未来を描くのか?

プロジェクト発足のきっかけは?

板垣護(いたがきまもる)

ヤルキマントッキーズ株式会社代表。プロゲーミングチーム“TEAM iXA”のオーナー。

若山史郎(わかやましろう)

株式会社チアード代表取締役

前田英樹(まえだひでき)

ブロックチェーンを利用した新しいクラウドファンディング2.0“FiNANCiE”を運営する、株式会社フィナンシェ取締役COO。

君岡祐次郎(きみおかゆうじろう)

株式会社フィナンシェ iXA CUP プロジェクトディレクター。

 このプロジェクトで開発した“iXA ENGINE”とは、FiNANCiE(フィナンシェ)でトークン発行型クラウドファンディングを実施し、大会の運営資金を集め、チアードが提供・運営する“勝敗予想ゲーム”を組み合わせたもの。このスキームを様々な大会に適用し、新しいeスポーツ観戦の形を実現しようという試みだ。

 要は早い話が、“eスポーツ大会の試合結果をみんなで予想して、賞金獲得を目指そう”という企画。また、トークンを購入すると賞金が増額され、大会運営の支援にもなるよ、という話である。

iXA CUP プロジェクト

 プロジェクトの全体像は上の画像の通り。TEAM iXA、FiNANCiE(フィナンシェ)、チアードの3社が、それぞれの得意分野のノウハウを活かしたからこそ実現した。まずは、このプロジェクト発足のきっかけを紹介する。

「このプロジェクトは、ゲーム好きのおじさんたちが集まって進めています」

――この3社がアライアンスを組んだきっかけを教えていただけますか?

板垣始まりは、FiNANCiE(フィナンシェ)さんが、TEAM iXAをスポンサーしてくれたことがきっかけですね。それで、iXA CUPの方向性として、参加者だけが楽しむというよりは、観戦者がプレイしていなくても楽しめる大会にしたいと考えていました。受動的に見るというだけではなく、能動的に参加できる楽しみを導入できないかと。

前田iXA CUPのコンセプトをうかがって、私たちでそれをより盛り上げる方法はないかと模索しました。一般の人たちが支援して、観戦者たちがまた見たいと思う動機付けがあって、さらに支援する人たちがいるから選手の大会参加に対するモチベーションが沸くような座組ですね。FiNANCiE(フィナンシェ)のトークンをうまく使えばできるんじゃないかと思っていたのですが、そこにちょうどチアードさんの“勝敗予想システム”のお話を聞いて、「これだ!」と。

若山僕は、eスポーツを専門に扱うウェルプレイドの創業メンバーで、そのころからよく事務所で一緒にゲームで遊んでいましたよ(笑)。そういう仲でもあったので、プレゼン資料をもとに説明していただくという堅苦しいこともなく、雑談から自然と参加が決まっていましたね。それぞれに各分野の専門家だったので、立ち上がりはざっくりとしていましたが、形になるまでは早かったなと記憶しています。

板垣そうですね。試合の勝敗予想は、これまでみんな考えたことのある取り組みだと思いますし、さまざまなベンチャー企業がチャレンジしそうなプロジェクトですけど、意外にも誰も実現させていなかった。そういった意味では、僕らおじさんたちだからこその人脈だったり、各人の専門知識があったから実現できたんだと思っています。

前田でも、このプロジェクトを実現させれば、eスポーツの時代を変えられるというか、新しい未来が作れるかなという感覚はありました。

観戦者も賞金獲得のチャンスが生まれる!? 大会開催と勝敗予想のスキーム

 プロジェクトの全体像がわかったところで、”iXA CUP プロジェクト”の中核となる”iXA ENGINE”の2つの大きな特徴である、トークン発行型クラウドファンディングと勝敗予想ゲームを紹介していく。

iXA CUP プロジェクト
トークン販売後の支援金充当割合。トークン販売が伸びれば、大会運用費や賞金額が増えていく仕組みだ。
iXA CUP プロジェクト
大会のライブ配信を観戦しながら、対戦者のどちらが勝つかを予想し、ポイントを獲得していく勝敗予想ゲーム。

 大会に参加する選手やプロジェクトのサポーター(支援者)がトークンを購入すると、大会の“運営資金”や大会の“賞金”として還元される。

 そして、一般ファンである観戦者は、付与されるポイントを使って試合の勝敗予想によるポイントの増減が楽しめる。たとえるなら、一定のオッズで行う競馬や、ゲームで言えばカジノにある闘技場の勝敗予想のようなものに、無料で参加できるというイメージと考えるのがいいだろう。

 しかも、ここで特筆するべきは、最終的にポイントをもっとも稼いだ観戦者に対して賞金が与えられるということだろう。eスポーツでは、上位入賞した選手に報酬として賞金が払われるのは一般的となったが、試合観戦者が賞金をゲットするケースは、筆者の知る限り実施された記憶がない。

 ゲーム好きであれば、一度はこういった予想ゲームを楽しみたいと考えたことがあるだろうし、選手を応援する姿勢が、これまで以上に真剣になり、出場選手のこともより詳しく知りたくなるはずだ。このスキームの登場により、eスポーツ観戦の常識が大きく変わる可能性がある。

「観戦者みずからが主体となった応援体験を味わってほしい」

――勝敗予想は、実際にどのように実施されるのでしょうか?

若山まず、勝敗予想ゲーム自体は、いわゆるオープン懸賞として運用されるので、LINEのTEAM iXAのアカウントと友達登録していただければ、誰でも参加できます。登録後は、試合が始まる前に「〇〇選手対〇〇選手はどっちが勝つ?」といった設問がLINE上に出るので、どちらが勝つかを予想する流れです。

――予想が当たった場合、賭けたポイントの倍率はどうなるのでしょうか?

若山今回はオッズの運用はしていません。オッズがあった方が現状の想定ユーザーであるコアなファンは楽しいのは明白なのですが、知らない人にも興味を持ってもらおうとすると難しすぎるんですよ。軽い気持ちで興味を持ってくれた方にとってオッズという要素は複雑すぎて離脱要因になってしまう。そうなると、ふらっと来た人が気軽に参加できず、間口を狭めてしまうので、まずは勝ちか負けかの2択だけにして、できる限りシンプルにしました。

――勝敗予想参加者はポイントを賭けて、最終的な合計ポイントを争う形でしょうか?

若山参加時に、全員一律に1万ポイントが配布され、これを元手にポイントを増やしていくゲームになります。予想が当たれば2倍。負けたら賭けた分のポイントがなくなる。というゲームを大会を通じて大体10回程度くり返していただき、決勝戦終了後にいちばん多くポイントを持っている人が、1ポイント=1円の賞金を獲得できます。

――観戦者が賞金をもらえるというのは、いままでのeスポーツ大会になかった要素ですね。

若山ただ観戦するだけではなく、選手を本気で応援して欲しいというか、観るほうも自分主体になって欲しいんですよ。eスポーツの観戦者はプレイヤーでもあることが多いので、選手が勝った負けたということに対して、やや客観的にとらえている人が多く、“応援する”というよりは“観戦する”というスタンスの方が結構多いなと思っています。でも、選手の勝利を応援しているときに自分にも少しリターンがある。となると、勝敗に対して没入出来たり、喜怒哀楽のブレ幅が大きくなったり、いい意味で主観的に応援できると思っています。

――いろいろな意味で応援に熱が入りそうです。

若山「推しの選手が勝ってくれたら自分も賞金がもらえるかもしれない」という体験は、観戦していて手に汗握る感覚がこれまでとはまったく異なるものになるはずです。その結果、勝っても負けても「あなたに夢を乗せられたよ」と、そんな体験ができるきっかけになって欲しいですね。

前田VC(ベンチャーキャピタル)と投資するスタートアップの関係は、リターンだけではなく、一心同体となって一緒に成長していこうという、友だちよりも深い絆で結ばれている事だと思うんですけど、選手と観戦者や支援者が、この関係と同じような雰囲気でつながってくれるといいですよね。そうすれば、より熱心に選手のことを追いかけることになるはずなので、選手の個人配信をチェックしたり、ふだんから応援するようになると思うんですよ。そういった形ができれば、理想のエコシステムが成り立つんじゃないかと。

――より熱心なファンを生むきっかけになるということですね。ちなみに、トークン購入者が増えて勝敗予想が盛り上がってくれば、競馬新聞のような事前予想もコミュニティー間で盛り上がりそうですね。

前田勝敗予想の楽しさをみんなが理解してくると、おそらくつぎはそういった競馬新聞のような事前予想が欲しくなるはずですよ。第1回の段階ではまだそういった盛り上がりは出てこないと思うのですが、第2回からは前回賞金をゲットした人の予想が注目したりと、予想屋みたいな人たちが出てくるかもしれません。FiNANCiE内にはコミュニティーもあるので、そういったところで出せる情報があれば出していきたいですね。

iXA CUP プロジェクト

iXACUPプロジェクトが成長すればトークンの価値が上昇する可能性があり、トークンは売買が可能

 大会運営や選手の支援につながるトークンは“FiNANCiE(フィナンシェ)”で購入でき、購入者は以下のようなメリットがある。

-SNS“FiNANCiE(フィナンシェ)”の限定コミュニティーへの参加
サポーター限定コミュニティへの参加、投稿の閲覧が可能。
ここでしか聞けない選手の本音が聞けるかも!?

-限定特典、イベント招待
一定のトークンを保有しているユーザーに、TEAM iXAからの限定特典の応募権利や、 対象の大会やTEAM iXAの企画投票に参加できたり、イベントへの招待を獲得する権利が得られる。iXA CUP プロジェクトの成⻑に合わせて豪華に!?

iXA CUP プロジェクト
iXA CUP プロジェクト
トークンを購入すると、スポンサーの証としてコレクションカードが発行される。
iXA CUP プロジェクト
iXA CUP プロジェクト
その他、数量限定の今回限りの制作となる限定デザインTシャツやパーカーが付いたコースもあるとのこと。

 また、iXA CUP プロジェクトが成長すると、トークン自体の価値も向上して財産となる可能性がある。なお、このトークンは“FiNANCiE(フィナンシェ)”アプリ内のシステムを使っていつでも簡単に売買することもできる。立ち上げ初期に購入しておけば、トークンの価値が上がっていた場合は大きなリターンを得られる可能性もあるのだ。

「初期からの支援者にはVIP待遇を検討しています」

――トークンの価値はiXA CUP プロジェクトの規模に比例して上昇していく?

板垣はい。トークンを購入する支援者が増えれば増えるほど、賞金や運営資金が増えていきます。そうなると、選手へのリターンが増し、勝敗予想もさらに盛り上がるはずです。大会が盛り上がれば、さらに支援者が増え、参加する選手や観戦者も増え……という風にiXA CUP プロジェクト、そしてiXA ENGINEが成長していくはずです。そうすれば、FiNANCiE(フィナンシェ)上のトークンの価値も上がっていく可能性があります。

――トークンの価値が上がるとどういったメリットがあるのでしょうか?

板垣たとえば、iiXA ENGINEを使った大会が10回目で大規模な大会に成長していたら、初期からトークンを購入して支援してくれている人をVIPとして特別待遇することも検討しています。このように、中長期的な支援を含めたメリットのある構造になっています。

前田トークンはFiNANCiE(フィナンシェ)アプリ内の別システムを使って、簡単にいつでもユーザー間で売買することも可能です。ですから、もしも支援者が増えてiXA CUP プロジェクトが大きく成長していたら、初期から購入していたトークンがすごく値上がりする可能性もあります。

板垣トークンはプロジェクト立ち上げ初期の方がたくさん買いやすくなっていますので、買っておくと成長とともに特典や売買を含めたベネフィット(恩恵)が得られる可能性があります。もちろん、iXA CUP プロジェクトが大きく成長すればという前提条件はありますが。

iXA CUP プロジェクト

勝敗予想による賞金は法律的に問題ないのか?

 今回のiXA CUP プロジェクトは、運営、選手、観戦者、支援者と、それぞれに大きなメリットの生まれる新しいエコシステムが成り立っている。しかし、まるで賭博のような勝敗予想システム、そしてトークンの売買による換金も可能となると、「法律的に問題はないのだろうか?」という疑問が生まれる。

 これまでeスポーツ大会は、「賞金の支払いなどが賭博に当たらないのか?」などの議論がなされてきた。こういった背景は若山氏も理解しており、“チアード”が先頭に立って問題を解決しているという。

勝敗予想のスキームは木曽といっしょに考えています。

――「今回のプロジェクトが法律に触れないのか?」と考える方も多いと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか?

若山結論から申し上げますと、まったく問題ありません。オープン懸賞として運用していて、テレビでもよくある、”dボタン”を押してクイズに参加する企画と同じだと考えてもらって大丈夫です。eスポーツにおける賞金について色々な企業様のご相談に乗ることもあるくらいなので、「違法性がないように石橋を叩いて壊して、鉄筋で橋を建てるくらい慎重に進めています」。

――法律な部分は、木曽崇氏が監修しているとお聞きいたしましたが?

若山弊社の取締役を務める木曽がしっかり監修しています。チアードとしても、弊社役員である木曽としても、確実に大丈夫だとお約束できます。専門領域だと謳っている以上、怪しいものは絶対にお出しできませんからね。

※木曽崇氏 国際カジノ研究所 所長/諏訪東京理科大学 地域連携研究開発機構 客員研究員を務め、チアードの取締役も務める。また、eスポーツの賞金問題などにも深く精通している。

――それは心強いですね。今回のプロジェクトは、法律的にクリアーすることは難しかったのでしょうか?

若山eスポーツに限らず、色々なところで実施されているオープン懸賞という形で運用しているので、何か難しいスキームなのか?というとそんなことはありません。ただ、「これは本当に問題ないのですか?」と聞かれたときに理由を解説するとなると、難しいかもしれませんね。会社の決裁者や法務担当の人から見て、整合性のある説明をするには、専門的な知識が必要になってくるので。そういった意味では、物凄く慎重で丁寧なロジックの組み立てをしました。

板垣もちろん、僕らから「たとえば、こういったことはできますか?」とチアードさんに相談して何度も議論はかわしました。その都度、チアードさんに確認していただきましたし、何よりもチアードさん自体はクリアーにしたうえでサービス化されていますので、我々としてはスムーズに進んだと思っています。

FiNANCiE弊社のトークンのスキームは、ブロックチェーンという新しいテクノロジーを利用しており、法律がものすごく厳しい部分ですので、FiNANCiE(フィナンシェ)としてもしっかりと取り組んできました。もちろん議論はしましたが、チアードさんの知見もありスムーズでしたね。

板垣そういう意味では冒頭にもお話しましたが、各分野の専門家であるおじさんたちが集まったからできたと思います。なんとなく直感的に座組を作ってしまうと、炎上してしまう案件かもしれません(笑)。

iXA CUP プロジェクト
iXA CUP プロジェクト

キーマンたちはどのような未来を描くのか?

 eスポーツでは、ゲーミングチームの運営やイベント開催にかかるコストは、どちらもスポンサーからの収入に頼らざるを得ない面がある。この資金運用はeスポーツにおいて大きな課題のひとつとされている。今回のスキームが軌道に乗って理想のエコシステムが実現すれば、eスポーツの新しい未来が拓けるのではないかと期待させるものがある。果たして、プロジェクトのキーマンたちはどのような将来を思い描いているのだろうか?

「選手から見ても観戦者から見ても特別な大会にしたい」

前田プロジェクトの規模を大きくしていきたいというのはありますが、まずはこのスキームを浸透させたいですね。とりあえず1回目を実施して実際に体験してもらい、楽しさを理解していただくのが第一歩かと考えています。

若山ビジネス的な言い方をすると、最低限の収支が成立すればプロジェクトを継続できます。今回は、この“継続すること”が一番大事だと思っています。世の中のeスポーツ大会は、パブリッシャーが実施するプロモーションの一環として行われている事が多いと思います。そのことの良し悪しを論じるつもりはないのですが、このプロジェクトが成功すれば、eスポーツの大会開催をする際の選択肢を増やせるんじゃないかなと考えています。

板垣全体の規模を大きくしていきたいですね。支援者が増えて、賞金も高額になれば自然と参加選手数も増え、観戦者も増えるでしょう。そうなれば、応援もより一層熱が入りますよね。選手もガラガラのスタジアムでやるより、満員のスタジアムのほうがモチベーションが上がるはずですし、そういった場所で試合をしたいと思うんですよ。選手から見ても、観戦者からも見ても、ほかとは違う“特別な大会”にしたいですね。

若山リアルスポーツでも「あのチームのファンは応援がめちゃくちゃ熱狂的」とかあるじゃないですか。TEAM iXA所属選手の大会も選手に対する応援が“ガチ”みたいな世界があると、そこで勝つのは特別という価値観が生まれてくると思うんです。そういった世界観を作りたいですね。

――確かに応援が“ガチ”になりそうですね。そうなると、生放送のチャット欄ですとか、選手に寄せられるコメントが厳しいものになることも予想されます。そういった課題については、どのようにお考えでしょうか?

板垣もちろん人格を否定するような誹謗中傷は問題ですが、そういったガチな応援との向き合いは報酬との釣り合い次第なのかなと。最初は上位入賞選手にしか賞金を出せませんが、もし出場選手全員に出せるようになれば、多少のヤジも仕事として受け入れらるようになるかもしれません。そうなると、eスポーツをプロ野球などのプロスポーツの方向に持っていけると考えています。

――では最後に、Team iXAの代表である板垣さんから期待するファンへのメッセージをいただけますでしょうか?

板垣このプロジェクトを通して、戦っている人はもちろんのこと、観戦している人も盛り上がっていけるような、トータルとして見ている人もプレイしている人も盛り上がる楽しい大会・プロジェクトにできたらと思っています。ぜひ、応援のほどよろしくお願いします。

プロジェクト第1弾は3/13「KING of GIANT Festival 2nd」

 今回取材したiXA CUPプロジェクトの第1弾は、TEAM iXA所属の剛田選手が主催する『BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE(ブレイブルー クロスタッグバトル)』のオンライン大会“KING of GIANT Festival 2nd”で、実際に勝敗予想ゲームが楽しめるのは、3月13日の決勝大会になるとのこと。詳細は、剛田選手のTwitterをチェックしてほしい。

■KING of GIANT Festival 2nd大会日程

  • 予選大会第1回:1月9日 実施済み
  • 予選大会第2回:1月23日
  • 予選大会第3回:2月6日
  • 予選大会第4回:2月20日
  • 予選大会第5回:3月6日
  • 決勝大会 in あーくなま(仮):3月13日

■取材を終えての雑感
 今回のプロジェクトは、これまでのeスポーツにはない取り組みで個人的にも興味深いものでした。筆者も『ストリートファイター』などの格闘ゲームをプレイしますが、大会で優勝するなんて到底叶わない夢でもあります。ですので、大会に高額な賞金がかかっていても自分には関係のないことなので、とくに気にすることもありませんでした。

 しかし、試合の勝敗を当てることで賞金獲得のチャンスが生まれるとなっては話は変わります。ふだんからゲーム仲間と「あーだこーだ」言いながら試合観戦で盛り上がっているクチなので、勝敗予想がおもしろくないわけがありません。スポーツくじなどを見ては、「ゲームでこういうのないかなあ」と思っていたので、今回の企画は絶対に盛り上がるだろうし、楽しみで仕方ありません。

 このプロジェクトがうまくいけば、eスポーツチームやイベント運営の資金調達という課題がクリアーできる可能性もあります。このように新しい時代を切り拓き大きなメリットが生まれる一方で、eスポーツチームのマネジメント経験者である筆者にはひとつの懸念もあります。

 これまでと異なり、観戦者たちにも“賞金”という明確なリターンが生まれることで、どこか客観的な部分のあった観戦者たちも、主語が“自分”になるはずです。自分事となると、インタビュー中にもあった通り、“応援がガチ”なものになっていくはずです。場合によっては観戦者から選手への当たりが強くなることが予想されます。昨今、タレントや有名人がSNS上などで誹謗中傷に悩まされているようなことが、eスポーツの現場でも起こり得る可能性があるということです。つまり、こういった取り組みの規模が大きくなっていくのであれば、選手をマネジメントする側の危機管理もより一層徹底していく必要があるでしょう。どちらか一方ではなく、エンターテイメントとマネジメントの両輪で考えて、eスポーツの未来につなげて欲しいです。

記事:豊泉(とよまん)

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January 22, 2021 at 09:30AM
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