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『クアリー』マルチにはホラー映像を自分で作る楽しさがある。登場人物がいち早く死ぬように仕向けるおもてなし精神【悪夢のゲームキャンプ2】 - ファミ通.com

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 Supermassive Gamesが手掛ける『クアリー ~悪夢のサマーキャンプ』(以下、『クアリー』)に、アップデートで最大8人で遊べる新たなマルチプレイコンテンツ“狼の群れ”が実装された。

 本作は、プレイ中のあらゆる選択がストーリーに影響を与え、多数の登場人物の運命を左右していく『Until Dawn -惨劇の山荘-』と同様のシステムが使われた最新のティーンホラーアドベンチャー。今回アップデートで追加されたマルチプレイは、集まった全員で選択肢に投票を行い、参加者全員で登場人物の運命を決めていくシングルプレイとはまた違った体験のできるコンテンツとなっている。

 そんなマルチプレイをライター3人で体験し、それぞれがレビューを書いてみようということになった。題して“悪夢のゲームキャンプ”。内訳はホラーゲーム好き(カール大島氏)、ホラーゲームが苦手(カイゼルちくわ氏)、ホラー映画好き(筆者)だ。さて、マルチ版の所感をお伝えしていこう。

『クアリー』マルチにはホラー映像を自分で作る楽しさがある。登場人物がいち早く死ぬように仕向けるおもてなし精神【悪夢のゲームキャンプ2】
この記事は『クアリー ~悪夢のサマーキャンプ』の提供でお送りします。

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ホラー映画の定番欲張りセットなストーリーに介入する独特のおもしろさ

 『クアリー』の舞台となるのは、若者たちがサマーキャンプに訪れていたハケット採石場。友情や男女関係に悩み、心に秘密を秘めた若者たちが、ハケット採石場で起こる奇妙で恐ろしい事件に巻き込まれていくというのが、ストーリーの大筋だ。

 全体を通してホラー映画リスペクトを感じる場面が満載で、王道展開も多いため映像作品を見ている雰囲気で楽しめる。とくに序盤は丁寧に定番の要素や伏線を積み重ねていくので、ホラー映画に慣れ親しんでいるとニヤリとする場面も多い。

 序盤ではとある理由からどうしてもサマーキャンプを引き延ばしたいジェイコブという若者が、帰宅に使うクルマを破壊してしまう。バカな若者を象徴するような行動・言動を惜しみなく見せてくれるため、後で痛い目に合うんだろうなぁと後々の展開が楽しみになる。

『クアリー』マルチにはホラー映像を自分で作る楽しさがある。登場人物がいち早く死ぬように仕向けるおもてなし精神【悪夢のゲームキャンプ2】

 ジェイコブの思惑通り、採石場から帰れなくなった若者たちは、管理人の言葉を無視して一夜限りのパーティーを開催。そうして、お酒や銃を手に入れた一向は惨劇の夜を迎えることになる……迫りくる影に気づくこともなく。

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 といった感じでストーリーは緩やかに進んでいくのだが、本作では本格的なホラー展開が始まるまで、プロローグを除くと1時間ほどかかる。すぐに死人が出るようなこともなく、非常に丁寧にキャラクターたちの関係値や性格が描写されていくため、人によっては序盤は単調に感じるかもしれない。

 ただ、全キャラの性格や抱えている事情を知っているからこそ、後半に仲間を見捨てるのか、助けるのかといった選択の重みが増し、結果的にゲーム体験を豊かにしてくれる。

 プレイ中は難度もプレイヤーが選択を迫られる場面があり、結末が何通りにも分岐していく。選択次第では全員生存や全員死亡エンドを迎えることもできるため、キャラの性格を知ったうえで、「コイツは見捨てよう」と自分なりに判断するのも醍醐味なのだ。

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 個人的には序盤の平和な雰囲気も好みで、ホラーやパニック映画好きからすると、それぞれ役割の自己紹介を見ているような気分になれる。

 映画なら間違いなく最初に犠牲になる立ち位置の、陽気なジェイコブとエマ。オカルト好きで物静かなライアン。仕切りたがりのケイトリンに、皮肉や軽口を叩くディラン。序盤をプレイしているだけで、ホラー映画好きならおおよそ犠牲になる順番が予想できてしまうほど、定番のキャラが揃っている。

 そんな登場人物たちがそれぞれ100点満点な行動・言動をして死に向かっていく様は、思わず拍手を送りたくなるほどだ。美しく王道を突っ走っていくので、予想通りに犠牲になっていく姿を見ると感動すら覚えてしまう。

『クアリー』マルチにはホラー映像を自分で作る楽しさがある。登場人物がいち早く死ぬように仕向けるおもてなし精神【悪夢のゲームキャンプ2】
ホラー映画で不仲になる率が非常に高い“真実か挑戦か(Truth or Dare)”ゲームも当然実行。王道展開に抜かりはない。

 さて、そんな本作をマルチプレイで遊ぶとどうなるのか。マルチには、全員で選択肢に投票を行い、多数決で結果を決める“群れの狼”と、全員が投票した後にホストが結果を決める“一匹狼”のふたつのモードがある。今回はその両方を試しつつ、筆者はホストをメインでプレイしてみた。

 “群れの狼”の場合は純粋な多数決なのでふつうに遊べるのだが、“一匹狼”は意外と責任が重い。極端な話、7人が同じ選択肢を選んでいても、ホストは別の選択をできるので結果次第では間違いなく恨まれるだろう。

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 基本的な操作については、シングルモードと違いはナシ。プレイ中に発生するQTEや選択肢の場面で、いっしょにプレイしているプレイヤーたちがそれぞれ投票をしていく形となる。投票はリアルタイムですぐに反映され、自分が選択肢を決める前にほかのプレイヤーがどちらを選択するかをチェックすることが可能。投票時には名前も表示されるので、責任逃れは難しい。

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 なお、QTEでもホストだけでなく全員で入力が求められるいわゆる大縄跳びシステムで、誰が失敗したのかもすべて見えてしまう。意図的にQTEを失敗させた場面はまだいいが、ふつうに油断していて失敗したときの居心地の悪さは何とも言えないものがあった。

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 探索パートは基本的にホスト任せなのだが、ほかのプレイヤーもカーソルを動かし、画面上に自分の名前とマーカーを表示させることが可能。こっちに行ってほしい、あそこにアイテムが隠されているといった情報を提示するのに使える。

 今回は全員がプレイ経験者だったためスムーズに進んだが、初見プレイヤーが集まって遊ぶなら怖がりの人にホストをさせて、あえて暗がりのほうを探索するよう要求するのもおもしろそうだ。

『クアリー』マルチにはホラー映像を自分で作る楽しさがある。登場人物がいち早く死ぬように仕向けるおもてなし精神【悪夢のゲームキャンプ2】

 これらのマルチシステムで実際に遊んでみると、いくつかマルチならではの楽しみかたが見えてきた。ひとつは、それぞれの知識を持ち寄って新たなルートを開拓していくこと。

 それぞれ1週はしてきたため、当然ながらある程度の黒幕や、キャラクターが死ぬポイントは把握している。その知識を持ち寄りつつ、「こっちの選択肢は選んだことないので行ってみましょう」と新たなルートを開拓していくのが意外とおもしろい。それで誰も知らなかった展開になったときに全員で驚きを共有できるのも、マルチならではの感覚だった。

『クアリー』マルチにはホラー映像を自分で作る楽しさがある。登場人物がいち早く死ぬように仕向けるおもてなし精神【悪夢のゲームキャンプ2】

 また、単純に会話をしてツッコミを入れながら遊んでいると、いっしょに映画鑑賞をしているような気分にも浸れる。操作キャラたちはときおり突拍子もない行動を取ったり、どちらの選択肢を選んでも最悪な展開になりそうなことがあるのだが、その選択も相談しながら決められるので2周目でも退屈しない。

 ジェイコブがクルマを破壊するシーンなどは、満場一致で「コイツやってることヤバすぎるだろ」とドン引きして、その行動の結果を笑いながら見守れた。

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『クアリー』マルチにはホラー映像を自分で作る楽しさがある。登場人物がいち早く死ぬように仕向けるおもてなし精神【悪夢のゲームキャンプ2】

 また、各キャラの選択での意見の一致・不一致も、マルチだからこそおもしろくなる要素だ。『クアリー』に出てくるのはいずれも個性的なキャラばかりなのだが、当然人によって好きなキャラは異なる。

 とくに今回はエピローグまでの話の展開を知っているので、生存させたいキャラ、死亡させてみたいキャラというのがどうしても出てきてしまう。それぞれが「前回はこのキャラが死んでしまったから今度は助けたい」という意思を持ち、その意見がぶつかり合った結果、予想もつかない結末へと向かっていく予感を途中からひしひしと感じていた。

『クアリー』マルチにはホラー映像を自分で作る楽しさがある。登場人物がいち早く死ぬように仕向けるおもてなし精神【悪夢のゲームキャンプ2】

 ゲーム中の選択の中には後々の生存に直結するものがあり、そういった大きな選択をした後は“分岐確定”の表示が出る。それがわかっているからこそ、心の中で思ってしまう。「この選択肢を選んだら、間違いなくこのキャラは死ぬよなぁ」と。

 個人的に見たことがないルートに行きたいときは、その選択がどういった結末を迎えるのか一切話すことなく、しれっと死亡ルートに直結しそうな選択肢を選びながら遊んでいた。

『クアリー』マルチにはホラー映像を自分で作る楽しさがある。登場人物がいち早く死ぬように仕向けるおもてなし精神【悪夢のゲームキャンプ2】

 おそらくいっしょにプレイしたふたりも、それぞれ生存させたいキャラなどの思惑があっただろう。実際、選択肢で意見が分かれて50%ずつになる場面が多々あり、最後の残った自分がジャッジを下す責任の重さを頻繁に感じていた。この全員で投票するシステムは後から投票するほど責任が重くなるので、迷いなく決断することも大切なのかもしれない。

『クアリー』マルチにはホラー映像を自分で作る楽しさがある。登場人物がいち早く死ぬように仕向けるおもてなし精神【悪夢のゲームキャンプ2】

 途中からは一匹狼モードで遊んでいたので、ホストの権限も遠慮なく発揮させてもらった。“真実か挑戦か(Truth or Dare)”ゲームでライアンがケイトリンかディランにキスをする場面があるのだが、ここでほかのふたりがケイトリンに選択。

 この時点で66%だったのだが、1周目の経験から一匹狼のホスト権限で筆者はディランにキスを選ぶことに。なぜその選択肢を選んだのかは、物語後半までディランを生存させていたプレイヤーにならわかるかもしれない。

『クアリー』マルチにはホラー映像を自分で作る楽しさがある。登場人物がいち早く死ぬように仕向けるおもてなし精神【悪夢のゲームキャンプ2】

 本格的にホラー展開に入ってからは、自分の見ていないルートを確認したいという気持ちだけでなく、ホストとしておもしろそうな選択肢を選ばなければという謎の使命感も芽生えていた。

 謎の化け物に襲われ、瀕死になった仲間を助けるか決める場面では、一匹狼の権限で容赦なく置き去りにすることを選択。生存・死亡云々ではなく、単純に見捨てさせて後から追及させたほうが絶対ストーリー的におもしろいと、とにかくホラー映像として楽しくなりそうなほうを選ぶことを意識してしまった。

『クアリー』マルチにはホラー映像を自分で作る楽しさがある。登場人物がいち早く死ぬように仕向けるおもてなし精神【悪夢のゲームキャンプ2】
『クアリー』マルチにはホラー映像を自分で作る楽しさがある。登場人物がいち早く死ぬように仕向けるおもてなし精神【悪夢のゲームキャンプ2】

 神視点、あるいは映画監督にでもなった気分で、楽しく人の生き死にを決めながら遊べるマルチプレイ。意見が一致すればその後の展開に全員で驚いたり笑ったりでき、バラバラになればいかに自分の好きなキャラを生かすかを考えたりと、協力と対戦を同時にしているかのような感覚で遊ぶことができた。

 今回のプレイでは早い段階で死人が出て、映画好きの自分としても納得の犠牲者だったので満足のいく結果となった。……というより、いち早く死ぬように自分で仕向けたわけだが。各チャプターが終わった後はそれぞれの選択肢の結果があらためて表示されるので、その結果を見つつ話を振り返ったり、どうしてその選択肢を選んだのか意見を交換するのも楽しみのひとつだった。

『クアリー』マルチにはホラー映像を自分で作る楽しさがある。登場人物がいち早く死ぬように仕向けるおもてなし精神【悪夢のゲームキャンプ2】

 プレイ前は初見プレイヤーだけを集めたほうがおもしろくなりそうだと思っていたのだが、意外にも1周クリアーしているメンバーだけで集まっても、知識交換や経験からくる意見の不一致など、また違ったおもしろさがある。『クアリー』をこれからプレイする人はぜひフレンドを誘ってマルチで遊び、経験者の人もマルチでもう一周してみてほしい。

さらなる恐怖と手軽な恐怖を

 『クアリー』のオリジナルポッドキャスト番組“世紀の不思議体験”が配信中だ。ゲームの舞台“ハケット採石場”周辺で起こる事件を、超常現象研究家であるグレイスとアントンが調査するというもの。別の視点が加わることで、物語をより多角的に楽しめる。

 また、各プラットフォームごとに体験版も配信中。プロローグを遊べるほか、フレンドが製品版を持っていればマルチプレイも可能。謎に満ちたサマーキャンプを、まずは体験してみよう。

『クアリー ~悪夢のサマーキャンプ』ポッドキャスト
ファミ通.com『クアリー ~悪夢のサマーキャンプ』特設サイト

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August 31, 2022 at 05:00PM
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