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たった500円で作れる「太陽光だけで海水から飲み水を作る装置」の仕組みとは? - GIGAZINE(ギガジン)

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マサチューセッツ工科大学(MIT)と上海交通大学の研究者が、海水を入れて太陽光で照らすだけで淡水にできる装置を開発しています。装置のコストはわずか4ドル(約520円)で、1つあれば4人家族が1日に必要とする飲料水を供給できる性能を誇ります。

Highly efficient and salt rejecting solar evaporation via a wick-free confined water layer | Nature Communications
https://doi.org/10.1038/s41467-022-28457-8

Solar-powered system offers a route to inexpensive desalination | MIT News | Massachusetts Institute of Technology
https://news.mit.edu/2022/solar-desalination-system-inexpensive-0214

地球上の3分の2を水が覆っていますが、その97%は海水です。海水は塩分濃度が高いため、そのまま飲むと脱水症状を引き起こします。そのため、海水から淡水を作り出す技術は非常に重要だといえます。


海水を淡水化する方法には、海水を蒸発させて再び冷やすことで淡水にする方式や、海水をろ過膜に通して淡水化する方式などがあります。特に太陽光を使って海水を蒸発させることで淡水化する方法は電気や複雑な設備が必要ないため、これまでさまざまな装置が考案されてきましたが、どうしても蒸発した後に海水を吸い上げる装置に塩がたまってしまうため、長い目で見ると設備の耐久性が問題となります。

そこで、MITと上海交通大学の研究チームが開発したのは、「自然対流を利用する」というコンセプトの装置でした。

この装置のポイントは、断熱性の高いポリウレタンと黒いカバーです。ポリウレタンを海水貯蔵タンクの中に浮かべると、直径2.5mmの穴がたくさん空いているので、ポリウレタン上部にあるくぼみに海水がたまります。そして、海水貯蔵タンクは黒いカバーで覆われており、太陽光由来の熱エネルギーを蓄積します。この熱エネルギーがポリウレタン上部の海水から水分を蒸発させるというわけです。


そして、水分が蒸発して塩分濃度が高くなった海水は密度が大きくなるため、ポリウレタンに空いた穴を通り抜けるようにしてポリウレタンの下へ流れます。同時に、ポリウレタンの下にあった海水がポリウレタンの上へ流れていくというわけです。つまり、ポリウレタンを挟んだタンクの上層と下層で、海水の密度差による自然対流が発生するという仕組みです。

この仕組みの利点は、蒸発して塩分濃度が高くなった海水が下層に流れると、下層の海水と混ざり合って塩分濃度が希釈されるという点です。塩分濃度が濃い海水がそのまま残留すると塩が析出してしまうという問題が解決されるため、設備の耐久性が大きく上がります。実際に研究チームがこの装置を製作して実験したところ、装置は1週間連続で機能し、塩の蓄積もみられなかったとのこと。


研究チームによれば、1平方メートルの大きさの装置を作るのにわずか4ドルしかかからなかったとのこと。そして、この1平方メートルの大きさの装置で4人家族が毎日必要とする飲料水を少なくとも1週間は提供できるそうです。

あくまで実験室規模の概念実証とのことですが、将来的には製品化も視野に入れている、と研究チーム。台風や地震などで淡水の供給が断たれた地域の災害救援に使用される可能性も視野に入れているそうです。

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August 04, 2022 at 01:00PM
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