競走部
2020.11.02
第52回全日本大学駅伝対校選手権 11月1日 愛知・熱田神宮西門前〜三重・伊勢神宮内宮宇治橋前
首位独走で見せ場作る 粘りの走りで5位入賞
新型コロナウイルス感染拡大の影響で出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)が中止になったことを受け、今シーズン最初の大学駅伝となった全日本大学駅伝対校選手権(全日本)。早大は、1、2区を先頭が見える位置でつなぐと、3区で中谷雄飛(スポ3=長野・佐久長聖)が区間賞の走りを披露し、首位を奪う。その後6区の終盤まで首位を快走し、長距離区間の7、8区でも粘りの走りを見せて、昨年を上回る5位でゴール。2年連続となるシード権を獲得した。
早大は、3、4区に中谷、太田直希(スポ3=静岡・浜松日体)の両エースをつぎ込み、前半重視のオーダーで先行逃げ切りを狙った。1区に起用されたのは、辻文哉(政経1=東京・早実)。序盤は「無駄に力を使っても仕方ない」と集団の最後方につけ、落ち着いてレースを展開する。8キロすぎに集団がばらけてからも、先頭から大きく離されることなく、1位の順大と11秒差の6位で井川龍人(スポ2=熊本・九州学院)にタスキをつないだ。井川は日体大、駒大などと集団を形成して前を追う。猛烈な追い上げを見せた皇學館大の川瀬翔矢(4年)に10キロ手前で追い付かれたが、「後ろから来た選手達に抜かれるのは嫌だった」と、意地のスパートで3位に順位を上げた。続く3区に起用された中谷は積極的な走りで、先を走る城西大、明大に迫る。1.7キロすぎで早くも追いつくと、並ぶことなく一気に抜き去り、首位に躍り出た。その後も5キロ13分台のハイペースを維持し、後続を引き離す。中継地点では2位に20秒差をつけ、4区の太田にタスキリレー。三大駅伝で自身初となる区間賞を獲得した。太田は5キロを14分5秒で通過する快調な走りで、明大との差を広げる。区間賞こそ逃したものの、従来の区間記録を上回る好タイムで走り抜き、2位の明大に52秒差をつけた。
後半区間は他大学からの猛追を受けることとなった。5区に登場したのは、菖蒲敦司(スポ1=山口・西京)。前半は「予定通り行けた」といい、リードを守ったが、中間点を過ぎると苦しい走りになってしまう。後ろから佐藤一世(青学大)がみるみるその差を詰めてきたが、なんとか首位の座を守り抜いた。続く6区にもルーキーの諸冨湧(文1=京都・洛南)が出走。終始落ち着いた走りで、首位をキープする。終盤に明大、東海大に捉えられたが、そこから粘りを見せ、先頭から3秒差の3位で7区の鈴木創士(スポ2=静岡・浜松日体)へタスキを渡した。鈴木は後ろから追ってきた駒大、東洋大、青学大と共に集団を形成する。中盤から表情がけわしくなり、この集団から遅れをとってしまったものの、最後は東洋大をかわして、5位でタスキを届けた。アンカーを務めた、三大駅伝初出場の山口賢助(文3=鹿児島・鶴丸)は、6位でスタートした宮下隼人(東洋大3年)に13キロ付近で追い付かれる。しかし、「東洋大の選手が来たおかげでペースを上げることができた」と、そこから息を吹き返すと、終盤は4位の青学大を視界にとらえた。青学大をかわすことはかなわなかったが、昨年を上回る5位でゴールした。
早大は3区から6区にかけて首位を走り、『三強』と称される駒大、東海大、青学大を脅かしてみせた。全選手が区間順位を一桁にまとめ、大きなミスなくレースを展開したことは収穫だ。しかし、『三大駅伝総合3位以内』の目標には及ばず、選手たちは悔しさを口にした。東京箱根間往復大学駅伝(箱根)でこの目標を達成するには、『三強』に割って入らなければならない。「部員数が少ないので層の薄さが出てしまう」(太田)という早大が、全日本より2区間多い箱根で輝きを放つためには、選手全員のさらなる走力向上が不可欠だ。レースを面白くする伏兵の座に甘んじることなく、もう一段階高いレベルで戦うために、残り二か月間でどれだけ成長できるか。臙脂の真価が試される。
(記事 高橋優輔)
第52回全日本大学駅伝対校選手権 | |||||
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区間 | 距離 | 名前 | 記録 | 区間順位 | |
1区 | 9.5キロ | 辻文哉 | 27分18秒 | 6位・区間新 | |
2区 | 11.1キロ | 井川龍人 | 31分51秒 | 5位 | |
3区 | 11.9キロ | 中谷雄飛 | 33分42秒 | 区間賞 | |
4区 | 11.8キロ | 太田直希 | 33分23秒 | 2位・区間新 | |
5区 | 12.4キロ | 菖蒲敦司 | 36分54秒 | 9位 | |
6区 | 12.8キロ | 諸冨湧 | 38分08秒 | 8位 | |
7区 | 17.6キロ | 鈴木創士 | 52分38秒 | 9位 | |
8区 | 19.7キロ | 山口賢助 | 59分10秒 | 6位 | |
早大 5時間13分04秒 第5位 |
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November 01, 2020 at 11:15PM
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