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「限界を作るな」退団の阪神福留が若虎に最後の金言 - ニッカンスポーツ

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阪神は6日、福留孝介外野手(43)、能見篤史投手(41)、上本博紀内野手(34)の退団を正式発表した。福留は西宮市内の鳴尾浜球場で、2軍選手とともにタテジマ最後の練習に参加。若虎たちに「孤独に耐えろ」「限界を作るな」とラストメッセージを贈った。来季は44歳を迎えるが「体は元気。気持ちが折れていない分、まだまだ」と現役続行への意欲を明かした。

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8年間のタテジマ生活がついに終わりを迎えた。大観衆が詰めかけた甲子園ではない。万雷の拍手もない。福留コールもない晩秋の鳴尾浜。それでも福留の表情は晴れ晴れとしていた。

福留 次に向かってまた進むという意味で、やっぱり寂しさもありますけど、どこかでそういうときは必ず来る。今日は周りのみんなもそういうことを感じさせずに、楽しく最後まで練習させてもらいました。

10月19日。球団から来季の構想から外れたことを告げられた。それでも変わらず、若手選手に優しいまなざしを向け続けた。球団からは1軍に昇格し、虎ラスト試合を飾る話もあったが、「そこはちょっとお断りさせていただいた」。最後は若虎たちが泥にまみれる鳴尾浜で迎えると決めた。

練習前、左翼に大きな輪ができ上がった。約5分間。北條、高山が食い入るように輪の中心を見つめた。ルーキー井上、遠藤もまた同じだった。伝えたのは、「孤独に耐えろ」というプロで生き抜く鉄則。そして「限界を作るな」という自身のポリシーだった。

福留 今ここで自分の限界を作らず、もっともっとできると思ってやってほしい、と若い選手に話しました。やっぱり自分でそういうことを決めてしまうと自分に対する甘えにもなる。

逆風が吹き荒れたコロナ禍の今シーズンも、前を向き続けた。不調時も志願して1、2軍の親子ゲームに出場。誰もいない練習前の球場で、おもりを両手に黙々とランニングを続けた。その言葉はまさに、自身の生きざまそのものだった。

福留 体は元気なんで。気持ちが折れていない分、『まだまだ』というところですかね。

44歳を迎える来季も現役続行を模索する。別れを告げることができなかったファンへの感謝を口にした。

福留 やっぱり甲子園の満員の中で、味方としてあの声援を受けることができたっていうのは僕の思い出ですし、財産です。そこに関しては本当に感謝です。

左翼守備に就いたシートノックではノーバウンド返球のバックホームを見せて球場が沸いた。涙はなかった。時には叱り飛ばす。時には親身になって相談に乗る。後輩たちに愛された親分肌が、笑顔に包まれながら虎を去った。【桝井聡】

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November 06, 2020 at 06:26PM
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