洋菓子店ペルシュ(鯖江市)のオーナーシェフでパティシエの谷下昌則さん(44)に、新メニューをどうやって考えているかや、パティシエを目指したきっかけなどを聞きました。
■店には何種類のお菓子がありますか。
生菓子は30種類。焼き菓子やチョコレート、ジャムなども合わせると約100種類になります。生菓子は、シュークリーム、ショートケーキ、チーズケーキ、タルト、モンブランなどの定番が半分で、残りは季節などによって入れ替えます。
■メニューはどうやって考えていますか?
発想はいろいろなところから得ます。季節の食材から考えることもありますし、食材の何かと何かをくっつけると面白いんじゃないか、と考えることもあります。
新型コロナウイルスで「子どもにケーキを買って帰りたい」という人が増えたことから、人気の定番のイチゴとチョコレートを使ったメニューを考えました。チョコレートも、ビターではなく、ミルクとかホワイトとか、少し優しい味わいのものを中心にしました。
ただ、食べるのは子どもだけとは限りません。おばあちゃん、おじいちゃんも食べるかもしれないとなると、大人の楽しみもどこかに入れておかないといけない。どういう人が楽しむのか-。妄想と空想を繰り広げながらメニューを考えていました。
■流行にもアンテナを張っているんですね
そうです。定番メニューを作っているだけでは取り残されてしまいますから。例えばコンビニでバスク風チーズケーキがはやったときは、スペインのチーズを使ったメニューを出しました。トレンドは攻めていかないと。
■仕事のやりがいを教えてください。
仕事は毎日、同じことの繰り返しになってしまいますが、お客さんに来店してもらって、楽しそうにケーキを選ぶ姿を見ると、わくわく感が伝わってきます。それがやりがいですね。
■大変なことは?
ほとんど手仕事だということです。ミキサーとかオーブンは機械ですけど、それ以外は人の手による仕事です。オレンジ1個でも、皮をむいて房を取ります。ジュースは絞って作ります。缶詰ならふたを開けるだけですが、手仕事なら工程が3つ4つと増えてくる。でも、この手間をかけているから、鮮度のいいスイーツがつくれているのです。
■開業されたときのことを教えてください。
18年前に独立して開業しました。人との関わりは苦手でしたが、店を作る建築会社、修業先のオーナーや旧友など、さまざまな人とのつながりを感じました。メニューを考えて、ケーキの名前を付けて、値段を決めて…。自分の作ったものがこうやって世の中に誕生していく、ということに鳥肌が立ちました。だれも来てくれないんじゃないか、という不安も大きかった中で、ケーキって喜ばれるものなんだ、と感じました。喜んでもらうために自分ができることは何だろう、が自分の初心です。
■忙しい時期はいつですか?
これからクリスマスを皮切りに、お正月、バレンタイン、ひな祭り、ホワイトデーがあって、年度末まで忙しさが続きます。
■1日にどれぐらいのケーキを作りますか。
多いときはホールで1日40個ぐらい。切り分けられたケーキだと600個ぐらい作るときがあります。パティシエは7人ですが、週末は4~5人なので、とても忙しくなります。
■ケーキは基本的に当日作るんですか?
そうですね。冷凍できるものはしておいて、そこに仕上げが入ってくる。午前9時の開店に6~7割並べられるようにしています。
■朝は何時から仕事を?
午前6時半には作業開始です。朝イチはシュー生地やタルト、プリンを焼きます。フルーツの納品・検品もあります。
■なぜパティシエになろうと?
父がパティシエだった影響はあります。父はすごく忙しくて、僕はよく一人で留守番でした。小学3年生ごろからは、自分でご飯を作ることも多かったです。ちょうどテレビ番組「料理の鉄人」がはやりだしたころで、まねごとをしていました。食べる以上に、何かが一つの形になっていくことが好きでした。プラモデルもよく作っていました。オタク気質で、人と接することはそんなに得意ではありませんでしたね。
■どうやってパティシエに?
高校を卒業して、県外のケーキ工場に就職しました。4年ほど勤めて、岐阜県のケーキ屋さんに移って3年半。そして今の店を開業しました。一つの店の技術をだいたい覚えるのに3~5年はかかるのじゃないでしょうか。
今の35歳ぐらいまでのパティシエは高卒が多数だと思いますが、最近は専門学校を出ている人がほとんどですね。
■子どもたちへメッセージをお願いします。
自分が好きなことをとことんやってほしい。お菓子にこだわらず、いろいろなものを作ってみてもいい。職人気質って、オタク気質とほぼイコールだと思っています。今はインターネットも普及して、興味があれば何でも調べて、やりこむことができます。小学生だから使える、という時間はあります。宿題はさっさと終わらせて、時間をフル活用してほしいですね。
次回のお知らせ
次回インタビューするのは、ドローンのフライトオペレーター竹原勇樹さん。ドローンを操縦して、新聞やテレビ、広告などに使う写真や動画を撮っています。質問を募っています。QRコードを読み取り、投稿フォームから送ってね。
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締め切りは11月30日です。話を聞きたい県内の職業や人も募集します。
November 14, 2020 at 03:00AM
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パティシエ 新メニューどう作る? - 福井新聞
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