ChatGPTを使えば、スキマ時間にバーチャルな「個人英会話講師」とやりとりができる。
写真:今村拓馬
ここ数年、急に英語力が必要になった。自身のチャレンジのために海外取材を増やすようになったからだ。
必要に迫られ中学英語をやりなおし、YouTubeやポッドキャストをひたすら聴き、シャドウイングにも挑戦した。結果、英語そのものには慣れたが、今一歩先に進めない。相手の言っていることがわかっても自分の意見が返せないのだ。
アウトプットを増やそうとオンライン英会話にも挑戦したが、専門業界の会話の習得は難しい。
途方に暮れた結果、活用し始めたのが「ChatGPT」だ。今日は私がどうやって英語学習にChatGPTを活用しているか、その具体例を紹介したい。ChatGPT英語術がおすすめできるのは、こんな人だ。
- ビジネスの現場で、専門的な英語を使う必要がある人
- 自分の意見を英語で伝える必要がある人
- リーディング、ライティング能力を伸ばしたい人
- スキマ時間で効率的に学習したい人
合わせてどのようなマインドで臨めば良いかも解説していこう。
学習効率をあげるには20ドルの有料プランでスタート
ChatGPTは無料で利用できる。公式サイトから登録してログインするだけだ。英語学習に使うなら月額20ドル(約2900円)の有料プラン「ChatGPT Plus」をオススメしたい。そのほうが精度も高く回答もスピーディーでカスタマイズできる。
アカウントを作ったら、さっそく学習スタート……と行きたいところだが、まず最終的な学習のゴールを明確にしておこう。例えば、私なら下記のように羅列する。
- CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のB1レベル(自立した言語使用者)を目指す。
- ラスベガスで開催されるテクノロジーの展示会「CES」で英語取材をスムーズに行う。
- 英語取材で相手から情報を引きだし、こちらの感動や意見を伝える。
- 特定の技術についてのディスカッションができるようになる。
その上でChatGPTに、どんな存在になってほしいかを決定する。私の場合は下記の通りだ。
- テックジャーナリストが使える英語を学べる存在。
- テクノロジーに関する英語を網羅するパーソナルトレーナー。
- フレンドリーに何でも聞ける日本語&英語話者。
- 文法の間違いを指摘し、正してくれる。
画像:筆者によるスクリーンショット
ここまで決めたらChatGPTを起動し「どんな存在になって欲しいか」を伝える。するとどのようなサポートすべきか質問されるので、ここでゴールを伝える。
すると、最適な学習方法を羅列してくれる。これで英語教材としての最初の設定は完了だ。
たったこれだけでいいのかと思われるかもしれないが、スクリーンショットを見て欲しい。
画像:筆者によるスクリーンショット
キーワードしか伝えていなくても、設定したゴールのために必要な情報をそろえてくれた。
続いてCESの取材準備から始めたい。自動運転と生成AI、ロボティクスに興味があると伝えてみると以下のような返事が返ってくる。
画像:筆者によるスクリーンショット
ロールプレイングで実践力を高める
私がChatGPTでよくやるのは「ロールプレイング」だ。自分は自分の役を演じ、ChatGPTには「架空のスタートアップの担当者」などを演じてもらう。
画像:筆者によるスクリーンショット
御社は何をしている会社ですか、とたずねると「InnoveAI」というカンパニーになったつもりで自社の紹介をしてくれた。ここから、実際のやりとりを英語で続けていく。
この際、気をつけているのは、Google翻訳や辞書などの他のページやアプリには移動しないことだ。会話の中で理解できない単語や文法があった場合は、ChatGPTに日本語で質問する。
私の場合、英語で質問すると理解できない部分を放置したり、あいまいに進めてしまいがちだからだ。正しい文法や熟語などを日本語で指示された方が記憶が定着がする。
質問の仕方がわからなくなったら、断りなく質問しよう。
画像:筆者によるスクリーンショット
リストを作成してもらい語彙力を増やす
自分が会話を続ける上で、ボキャブラリーや言い回しのスキルが足りないと思ったら、リストをもらおう。
その場合は「過去2年間でテクノロジー業界で話題になっている最新技術をリストアップしてください。その解説は英語と日本語で行い、内容はその技術のメリットと課題点について表記してください。」などと具体的に伝えてみよう。
画像:筆者によるスクリーンショット
こうして特定のトピックについて「自分がどのような意見を持っているか」と聞かれたら答えられる言い回しを増やしていく。
例えば、ここでは「AIについて」意見を求められた時に「Raises ethical concerns(倫理的な懸念を引き起こす)」という言い回しが使えることがわかるし、5Gについてのデメリットで書かれている「Requires substantial infrastructure investment(膨大なインフラ投資が必要)」は他の技術でも使い回しが効きそうだ。
日本語の意見から翻訳して伝えようとすると、つたないワードになってしまいがちなので、これが最適な練習法になっている。
英文章の添削や問題制作も。AI相手なら恥ずかしくない
続いて使うのは「文章の添削」だ。
以下はある日の私とChatGPTのやりとりである。特定のトピックについて文章を書き、間違っていた太字で直して欲しい、という指示を出したものだ。
ChatGPTはかなりラフな指示でも受け止めてくれる。
画像:筆者によるスクリーンショット
かなり具体的に使える英語を教えてくれているのがわかるだろう。
本来こうしたやりとりを、対面で英語講師とできる方が良いのかもしれないが、日本人のほとんどが「間違えたらどうしよう、恥ずかしい」と積極的になれないのではないか。
ChatGPTになら何でも聞ける。しかも興味のある分野の英語でやりとりができるのがポイントだ。
私は、文法の間違いを修正ししてもらい完成させた後は、英語の音声入力で同じ文章を音読し、人前で話す時にスムーズに話せるように練習している。
なお、ChatGPTは音声会話にも対応しているので、こうしたテキストでのロールプレイング慣れた人は音声版を利用してみると良いだろう。
こちらも英語・日本語どちらにも対応しており、会話内容はテキストでも記録される。
画像:筆者によるスクリーンショット
また、ChatGPTに「問題を出して」と言えば、必要な問題を出してくれる。例えば指示は以下のような具合に。
「英語のリーディング問題を出してください。1分程度で読めるボリュームで、テーマは自動運転についてでお願いします。最後に課題を3択でお願いします。」
画像:筆者によるスクリーンショット
英語学習に苦労している人なら「自分のための問題」を即座に出してくれることが、どれだけありがたいかかわかるだろう。
教科書も不要でわからないことがあれば、すぐに聞ける。問題も作成してくれ、英語の辞書としての役割もある。まさに「パーソナルトレーナー」的存在だ。
モバイルツールでスキマ時間を活用、GPTsでカスタマイズ
ChatGPTで効率的に勉強をする上でオススメの方法は、スマートフォンやiPadなどモバイル端末を使うことだ。
机に座って勉強するより、隙間時間を利用してChatGPTと会話する。手が空いた時に友達にLINEやSNSをついチェックしてしまう時間をChatGPTとの会話に置き換える。
ChatGPTの利点は、一度会話を始めると、そのスレッドを固定できる点。オンラインの英会話とは違って30分以内で話し終える必要もなく、質問に対して考える時間も取れる。
私はこの英語学習をスムーズにするためにOpenAIが2023年11月にリリースした「GPTs」を作成している。GPTsは、前述のChatGPT Plusで利用できるサービスで現在ベータ版だが、自分だけのChatGPTをカスタマイズできる。
この記事の冒頭で、ゴールを設定し、学習したい内容の提案を伝えたが、この設定を毎回入れるのが面倒なら、GPTsでカスタマイズしてみよう。
カスタマイズと作成にはパソコンが必要だ。WebブラウザでChatGPTを開きログインしたら、左サイドバーの「Explore」→「My GPTs」からCreate a GPTの左横にある+ボタンを選択する。
画像:筆者によるスクリーンショット
あとは「Create」のタブからChatGPTに会話形式で「こんな設定にしたい」という指示をしていく。最初、英語で話しかけらけるが「日本語で」と伝えれば日本語で設定できる。
画像:筆者によるスクリーンショット
ゴールや役割を書き込み、完了したら「Configure」にタブを切り替えて内容を確認し、右上の「Save」で作成する。その際、自分だけが使えるようにするか、他の人に公開するかを選べる。
画像:筆者によるスクリーンショット
初回設定後は、このパーソナルトレーナーを使って学習を再開できる。このモードの利点は、毎回設定をしなくても良いことだ。
公開したGPTsは、月額20ドルの「ChatGPT Plus」に加入している人であれば、自由に使うことができる。
私が普段利用しているGPTsも公開しているので、それを試してみると雰囲気が伝わるだろう。
ChatGPTは、即応性を高め、ナチュラルな会話ができるようにする英語学習ツールになる。
ボキャブラリーの拡充、熟語や文の構成を、新しい表現を身につけるのに役立つ。実践的な英語力をつけたい人に今すぐ始められる。
ChatGPTを使った英語学習は、時間のない大人にこそ試して欲しい。教科書を見ながら文法を学ぶよりも、実際に使う場面での例を学べるので、即戦力になるだろう。
今年こそ英語力を上げたい、スキルアップ・キャリアアップを目指したい人に特におすすめだ。
January 09, 2024 at 09:00AM
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ChatGPTではじめる「時短」英語学習。自分だけの英会話講師を作るには? - Business Insider Japan
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