W杯まで2か月となった今回のドイツ遠征で、キーワードの一つになっている「共通認識」について、アメリカ戦を翌日に控えて取材対応した日本代表MF遠藤航(シュツットガルト)が、持論を踏まえながら詳しく言及した。
「正直、細部のこと話すときりがない」。そのように切り出した遠藤は「チームとしてのミーティングは、基本的に自分たちのベースにあるものについての話になるところだと思う」と言い、シチュエーションに応じた共通認識をどうやって持っていくかについては「試合ごとに、ハーフタイムやうまくいかなかった時に話すしかない」と語った。
とはいえ選手間では「こういう時はこうした方が良いのではないか」とか、「ああいう時はこうしたらいい」というような話は常にやっているという。しかし、遠藤は、各状況に応じた共通認識をあらかじめ決めておくことは現実的ではないと考えている。
「1個1個の状況を監督がいちいちミーティングで潰していくのは難しい作業になってくる。ディテールの話は選手個人がやっていきながら、例えば明日はアメリカ戦が終わった後に、あのこの辺はどうだったとか、最初のスタートで自分たちがこういうサッカーをした結果、良かったのか、悪かったのか。それで何を変えたのかみたいなところは試合後、話す感じ」
アメリカ戦についてもこの考えは変わらない。「基本的には自分たちがアクションを求め、それを出すということがメインだと思います。そこはやっていくしかないし、その積み重ねでディティールの部分というのがどんどん突き詰められていくと思う」。実戦で得た経験こそが、試合で生かせる共通認識をチームが持つための道。その真ん中に遠藤がいる。
(取材・文 矢内由美子)
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