前回王者の青学大が、5時間25分33秒で復路優勝を飾った。大逆転で総合優勝した駒大の復路タイムを2秒上回って総合4位。復路の区間順位は3、3、3、2、4位と総合力を発揮。失意の往路12位から王者の意地は見せた。

原晋監督(53)は、従来のチーム力に加え、流れを一気に変えるスーパーランナーの育成に着手する方針を示した。

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おもしろいように順位を上げた。12位スタートから10位→7位→5位→4位。最終の10区中倉啓敦(2年=愛知)は一時的に3位東洋大を抜いた。シード権確保どころか、表彰台をうかがうほどの逆襲で復路V。原監督は「わがチームは強い」と胸を張った。

往路12位の前夜。原監督は暗い部屋で結果の紙を見ていると、スタッフに照明をつけられた。「おれが暗くてはダメだ」。すぐに復路優勝という目標を、選手に伝えると「こんなもんじゃない。僕らを見といてください」と言われた。

ケガで欠場した神林勇太(4年=九州学院)は「主将としてチームをサポートするのが仕事」と9区の給水係を務めた。同じ4年の8区岩見秀哉(須磨学園)に「やれることをやってこい」と背中を押した。原監督は「神林の穴を埋めようと皆に言った。『絆大作戦』は半分達成できた。負けは負けでも来年につながるいい負け方」。

ただ直前の故障で大黒柱が抜けて、連覇を逃したことも事実。原監督は「青学にくれば、記録は伸びるというメソッドは作った。でも『中の上』『上の下』ではだめ。(試合の流れを変える)複数の強くて速い選手をつくる。そういうメソッドを作る元年にしたい」と宣言した。【益田一弘】