3連勝中の巨人を、4位の中日がストップさせた。しかし連勝を止めたといっても、先発した田口が6イニングで7四死球を与え、2番手の鍵谷も3四球。巨人の自滅に助けられた勝利だった。このまま巨人を独走させないため、中日がもっと浮上するためにも、今後の課題点を考えてみた。

中日の最大の弱点は得点力不足。チーム打率は2割4分で得点も204と、ともにリーグ最下位。ここを何とかしないといけない。打率に関しては昨年、チーム打率2割6分3厘でリーグトップだっただけに、上がり目はあるだろう。そこで考えなければいけないのが、盗塁数と長打力になる。

どちらも簡単によくなるものではないが、選手個人個人が役割に徹するだけでも改善の余地はある。4回2死から7番の京田が死球で出塁。次打者の8番郡司は初球を打って一飛だった。この場面、せめてファーストストライクを取られるまでは、京田が盗塁するのを待っていい。盗塁が成功すれば、郡司は歩かされたかもしれないが、そうなれば5回は1番から始まる打順になった。

ここまで大島が7盗塁で京田が4盗塁。チームの総盗塁数は15(リーグ5位)なのだから、走れる選手はほぼ2人だけだと言っていい。それならばこの2人の後を打つ打者は、走りやすい環境を整えるべき。チーム長打率も3割4分2厘でリーグ最下位なのだから、機動力を絡めて得点圏に走者を進めたり、この試合のように少しでも得点しやすい攻撃になるような試合の流れを作らなければならない。

長打力を上げるために奮起してほしい選手には、5番の高橋を挙げたい。ミート力はあるが、野手の間を抜くゴロヒットが多いタイプで、今試合の1安打もゴロのヒットだった。今のスタイルを大きく変える必要はないが、バッティングカウントのときはフルスイングで打球が上げられるような技術を身に付けてほしい。それができる打者だと思っている。(日刊スポーツ評論家)