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【話の肖像画】田尾安志(29)自分で作る人生の物語、子供たちにも - 産経ニュース

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阪神時代、甲子園球場で試合を見守る家族=平成3年10月
阪神時代、甲子園球場で試合を見守る家族=平成3年10月

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《歯科医となった長男の耕太郎さんだけではなく、音楽活動などをしてきた次男の洋輔さん、長女の志織さんにも、自ら進む道を選ばせた》

女房の両親が海外留学生の支援を手掛けている人と仲が良かったんです。米国のボストンにすごくいい国際的な学校がある、ということで次男を行かせることになりました。入学は半年ぐらい先だったので、それまでニュージーランドで英語の勉強をすることになったのですが、本人がその場所を気に入ってしまった。「ボストンには行かない」と言い出して結局、中学の途中から高校卒業まで4年半、ニュージーランドにいたんですよ。帰ってきてから、今度は沖縄の名護市にある大学に行くことに。そこで知り合ったのが、次男の嫁さん。のんびりしたところで育ったので、次男は考え方ものんびりしています。

《自身が自立した少年時代を送ってきたこともあり、子供たちを田尾さんの考えで一方的に縛ることはなかった。ただ、自由放任主義とは異なる》

子供たちに言っているのは「自分で道を切り開いていけよ」ということです。僕は協力したいけど、道はつくりたくない。子供たちには、それぞれが自分で道をつくってほしい。何をしてもいい。本当に困ったときには、手を差し伸べたい気持ちは持っています。そうなるまでに一度、自分でやってみたらいいと思います。

一番下の娘は結婚して離婚しているんですよ。だから母子家庭のような感じ。自分で働きに出たりして生活していますが、そういうのが楽しいんじゃないでしょうか。親が道をつくることで生活は安定するかもしれませんが、不安定な喜びもある気がします。最後の最後、本当に困ったときには助ける。元気なうちは、そういう存在でいたいと思っています。

《ただ、孫への接し方は子供たちとはまったく異なる》

孫は3人います。望むことはなんでもしてあげたい。親がいろいろ厳しくしているので、おじいちゃん、おばあちゃんはうまくやっていこうと思っています。楽しいですね。

もう一つ思っているのは、お年玉です。先日、親戚のおばあちゃんが105歳で亡くなりました。100歳のときに正月に訪問すると、僕にお年玉をくれるんです。「働いているし、逆にあげなきゃいけないのに…」と断ろうとすると、息子さんに「もらってあげてよ。一番の楽しみだから」と言われました。開けたら、入っていたのは10万円。何かの形でお返ししなきゃいけないのですが、おばあちゃんの姿はかっこよかった。これはいいと思いました。

正月に僕の家に息子や娘、孫たちが訪ねてくるでしょ。何歳になってもお年玉をあげようと決めました。でも、来なかったらあげない。それが条件です。

いくつになっても、子供は子供。一生懸命頑張っているのがうれしいし、楽しそうに暮らしているのがうれしい。そんなに稼いでいなくても、なんか楽しいな、いい人生だなと思える生活を送ってくれた方がいい。本当に困ったときには、何かできる立場ではいたいと思っています。ただ、いつも頼られて、脛(すね)をかじらせるのは良くない。

僕の親は財産もありませんでしたが、借金もなかった。それはそれで非常に良かったと思っています。他人に言われて曲がっていくのではなく、自分でストーリーをつくっていく人生には、楽しさがある。僕もそういう環境で育ったので、その楽しさをある程度は分かっているつもりです。子供たちには壁があるからこそ、おもしろいというのを感じてほしいですね。(聞き手 北川信行)

田尾安志氏連載「野球が全部教えてくれた」

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March 30, 2022 at 08:00AM
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