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老後のお金が心配なら…「自分年金」を作る方法 - マイナビニュース

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私たちの将来の年金財政には不安が大きく残ります。セカンドライフを支えるお金については自助努力の重要性が高まってきましたが、皆さんの準備は大丈夫ですか?

◆今後の国の財政に重たい負担となるコロナ対応
2020年以降のコロナショックによる、定額給付金や緊急事態宣言下の飲食店への休業補償、GoToトラベルやGoToイートの補助、企業への雇用調整助成金など、財政出動の負担が著しく巨額です。

内閣府の発表によると、国の財政収支は2020年のマイナス約15兆円に対して、2021年はその約4倍以上となるマイナス約70兆円と試算されています。 国と地方をあわせた債務残高は、2019年度末より約70兆円増加して、2020年度は1160兆円におよぶとされています。

これまでと今後のコロナ対策資金はそのほとんどが、国の借金によるものです。

これらの負担の先送りが、今後の公的年金への影響や、増税など私たちのセカンドライフに大きな影をさす可能性は高まっています。 自分たちの老後が公的年金だけで賄うのは厳しい状況になったら、国が何とかしてくれると考えるのは無謀とも言えます。

続けて公的年金の状況を見てみましょう。

◆公的年金の財政状況は構造的な赤字が続く
現在の年金財政は大きな赤字運営が続いています。2019年度の公的年金の収支状況を見ると、収入になる年金保険料は37.2兆円、支出にあたる年金給付は49.8兆円で差引では12.6兆円の大きな赤字です。

※上記金額は2019年8月に公表された厚生労働省の「公的年金財政検証」によるものです。

少子高齢化社会が進んでおり、年金保険料を負担する若い世代の比率が減少し、年金保険料を受け取る高齢者の人口が増加する日本の人口構造のバランスにより、現在でも年金収入の約1.34倍以上の年金支給をしていますが、今後はさらに財政が苦しくなってきます。

2019年度はこの赤字を埋めるために国庫に負担(10.8兆円)と、年金積立金(積立総額約162兆円 2020年6月時点)から取り崩しをおこなっています。

家計に例えると、恒常的に大幅な赤字家計で、お金が足りない部分については親から出してもらいつつ、さらに不足する部分は貯蓄を取り崩すという状況です。

年金の積立金を管理運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」は、積立金で国内外の株式や債券などで年金資産を運用し、収益を出そうと一生懸命です。

この運用での2001年から2020年6月までの成績は、年平均2.97%と健闘していますが、リーマンショックなどの経済危機や2020年のコロナショックの際には、それまでに上げた収益も大幅に減少しました。今後もこれまでのように約3%ずつの収益性を維持できるかはわかりません。

このような年金財政を立て直すために、年金財源を確保するべく消費税を2019年10月に10%に引き上げましたが、総額分は少子化対策等の他の財源としてほとんどが充当されたため、今後、さらなる増税は避けられないと思われます。

年金収入を増やすために、2016年10月に厚生年金保険料の負担のなかったパート労働者のうち、従業員数501人以上の企業に勤める年収106万円以上の約25万人に、厚生年金の適用が拡大されました。また2017年4月からは500人以下の会社も、労使で合意すれば適用されるようになっています。

さらに厚生年金保険料負担者の拡大の検討を進めており、現時点のスケジュールでは段階的に年収106万円以上のパート労働者で従業員数501人以上から、2022年10月に101人以上に引き下げ、2024年10月には51人以上にする予定です。

対象者も年収106万円以上(月収8万8000円以上のパートなどの従業員)ですが、収入基準も年収81万6000円以上(月収6万8000円以上)を厚生年金の加入対象者とする検討が進んでいます。

超少子高齢社会を迎えてますます厳しくなる日本の年金財政を支えるために、個人・企業・国の負担が年々高まっていきます。

◆しっかり準備したい自分年金
上記のような状況から公的年金や会社の退職金への依存度を下げながら、自分自身で着実に準備する「自分年金」の必要性がより高まっています。「自分年金」とは、預金・資産運用・個人年金保険などの金融商品を活用した資産形成のことです。

仕事をリタイアするまで時間はたっぷりあるから、まずは目先の子育てや住宅ローンの返済が終わってから、自分年金の準備をしようと考えるのは黄色信号です。子どもが大学を卒業して自立する頃に、自分自身が何歳になっているか?住宅ローンの返済が終わる時は何歳かと考えると、仕事をリタイアする間際かその後ということもしばしばです。

定年退職間際でセカンドライフ資金の準備ができていなくて、「しまった!」ということがないように、少ない金額でもいいので他の預貯金などと区分けして、なるべく早めに準備に取り掛かりたいところです。

◆マネープランを立てて、より効率的な資産形成
セカンドライフの資産形成を始めるといっても、なんとなく漠然といつからいくらをどうやって貯める?ということになりがちです。そうなると貯蓄などを継続する意志も弱まり不安定になる可能性があります。

そうならないためにも、自分自身の人生のマネープランを大まかでもいいので作って、全体像を眺めながら、最適な資産形成の作戦を立てるのが効果的です。

人生のステージに沿って、一般的なファミリー家庭とお金との関わり方の一例は次のとおりです。

◇30代:お金をしっかり貯める時期
まだ子どもが小さく、子育て費用や教育費の負担が小さい時期で、マイホーム購入前なら住宅ローンの負担もなく、貯蓄力が強い時期です。30代を迎えたらセカンドライフの資産形成に本格的に着手しましょう。早く始めるほど後半がラクになります。

◇40代:お金を借りる時期・貯める時期
30代後半から40代にかけてマイホームの購入時期を迎えます。住宅ローンを借りて返済しつつ、子どもの教育費の準備と自分たちのセカンドライフ資金のための貯蓄・資産形成をコツコツがんばりたい時期です。

◇50代:前半はお金を使う時期、後半はお金を増やす時期
50代前半は子どもが大学に通う時期で住宅ローンの返済もあり、家計は年間の収入だけではやりくりが厳しくなり、貯蓄の一部を取り崩さざるを得ない場合も多く踏ん張りどころです。

一方で50代後半は、子どもの自立とともに教育費の負担がなくなり、家計が再び黒字化する時期です。子育てから解放されて夫婦のための時間やリフォームなどにお金を使える時期ですが、リタイア後の資産形成に向けてラストスパートの時期です。お金を貯めながら、効率良くかつ安全性を高めながらお金を増やしたい時期でもあります。

◇60代:お金を使う時期・守る時期
60歳でリタイアをするか、一次定年をした後に再雇用や再就職する方もいます。いずれにしても収入が減少することが多いです。自由な時間も増えますので、お金を自分たちのために使っていきたい時期です。

同時に年金の給付が開始するまでは、蓄えたお金や退職金などの一部を賢く運用し、配当収入などを確保しつつ、なるべく蓄え自体を減らさずに守りたい時期です。

上記はあくまで一般例です、自分のマネープランがあると、人生の中での貯蓄の力の入れどころや我慢のしどころ、どのような金融商品をそれぞれのステージで活用したらいいのかなどの、イメージをよりつかみやすくなり安心感も増します。

文=平田 浩章(マネーガイド)

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May 17, 2021 at 09:30AM
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