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「芯にあるモノはつないでいきたい」 KUZIRAが作るこれからのメロディックパンクシーン - リアルサウンド

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 岐阜発の3ピースメロディックパンクバンドKUZIRAが、5月26日に<PIZZA OF DEATH RECORDS>より1stフルアルバム『Superspin』をリリースする。KUZIRAは2017年に本格始動。ライブを中心に活動し、2019年9月にはKen Yokoyamaによる『Still Age Tour Ⅱ』に参加。メロディックパンクシーンのニューカマーとして注目を集める存在に。これからの活躍が期待される中だったが、2020年はコロナ禍により活動がストップ。2021年3月にはシャー:Dがドラマーとして加入し、新体制として新たなスタートを切った。

 今作のリリースをもって新たなキャリアを築いていく彼らに、バンドのこれまでの歩みとKUZIRAが考えるメロディックパンク、シーンに対する思いを語ってもらった。(編集部)

ローカルの強みを感じていた

ーー結成以来、一気に駆け抜けてきたバンドにとって2020年はもどかしさがある1年だったように思います。

末武竜之介(以下、末武):僕はライブをすることでモチベーションを保っていたので、それがなくなって病んじゃいましたね。自分自身の存在意義は何だろうと考えることもあったし、曲も作れなくなったんですよ。

熊野和也(以下、熊野):竜(末武)は看護師、当時のドラムもおじいちゃんやおばあちゃんを相手にするような仕事だったから、感染のリスクもあるし、スタジオに入ることもやめてたんです。だから、ライブもなければ、練習もない。何もできない感がありましたね。

ーーそういった状況だったのはいつぐらいの時期まで?

末武:9月ぐらいまではそんな状態でした。

熊野:そんなときに当時のドラムが抜けるという話があって。新作のレコーディングもしてなかったし、「いつリリースできるんだろう?」みたいなことも考えましたね。

ーー傍からすると蓄える時間に費やせたのかなとも思いましたが、実際はたいへんな状況だったんですね。

末武:『SLAM DUNK』の主人公である桜木花道って、初心者から3カ月で急激に成長するけど、ケガをして、同じようなスピード感で技術を失っていくじゃないですか。それと同じというか、僕らも3年でワーっとやってきたから、活動が制限されることで何かを失うんじゃないかという怖さがあったんです。

熊野:一気に駆け上がった分、失うモノもあるのかなって。

ーー駆け足できたが故、培ってきたモノが確かなのか不安があったという。

末武:まさにそうでしたね。

ーーそんなとき、新ドラマーであるシャー:Dさんといい出会いがあって。

シャー:D:前にやっていたバンドでKUZIRAと対バンは何回かしてて、面識自体はあったんです。で、そのバンドが活動休止になったとき、KUZIRAがドラマーを探してるタイミングだったりもして。お互いを知ってる先輩が間を取り持ってくれて、スタジオに入り、そのまま加入となりました。

末武:たぶん、スタジオに入る前からお互いに(答えは)決めてたんですよ。

シャー:D:僕は加入するつもりでスタジオへ行ったし、2人も誘うつもりだったみたいで。

ーー両想いだけど、互いに探り合ってるようなことも?

末武:まさにそうでした(笑)。

シャー:D:だから、すごくへんな空気にもなって(笑)。

ーー理想としてたドラマー像はありましたか?

末武:まずは歌える人というのがあったですけど、(シャー:Dは)パッションや表現力が僕ら界隈のドラマーでいちばんだったんですよ。

熊野:あと、僕らの曲を好きだと言ってくれたのも大きかったです。

ーー新体制になって、バンドが変化した感覚はあります?

末武:周りからシャー:Dくんが入ったことで驚かれたりもしたんですけど、KUZIRAっぽさみたいなのは変わってないというか。上手く言葉にできないんですけど、それがあったので、いい形になったなと思ってますね。

ーーKUZIRAは岐阜、シャー:Dさんは豊橋という、近い地域ならではのつながりも良かったんでしょうね。

熊野:そうですね。正直、ドラマー探しはもっと苦戦すると思ってたんですよ。でも、片やドラマーが抜ける、片やバンドの活動が止まるとなって、それがみんなに知れ渡ったとき、すぐにお互いを繋げてくれたし。

ーーちなみに、岐阜のシーンはどういった感じなんですか?

末武:岐阜はアンダーグラウンドなバンドが多くて、全国でバリバリやってる人たちがあんまりいなんです。だから、僕らもよく名古屋のバンドだと言われちゃうことも多い。ただ、最近はTHRASHOUTとか、同世代で頑張っていこうというバンドも増えたので、そういう盛り上がりはありますね。

ーーシャー:Dさんの地元である豊橋はいかがですか?

シャー:D:シーンというと意外と難しいんですけど、豊橋club KNOTというライブハウスがあって、代表の尾藤(元昭)さんを中心にいろんな動きもあったりして。

熊野:そういう意味では岐阜も同じようなところがありますね。岐阜には柳ヶ瀬Antsがあって、DUB 4 REASONの亀さん(亀丸一弘)がいて、という。

シャー:D:あ〜、たしかに。豊橋も若手が頑張ってるし、僕らと同じようなシーンでやってるバンドもいますから。

ーーKUZIRAって、世間のイメージよりも無骨なバンドだと感じてまして。洗練されたサウンドですけど、日和らないというか、自分たちの主張を貫いてると思うんです。その源には、大都市圏じゃないところから生まれたのがあるのかなと。

熊野:そういう意識はしてないんですけど、活動の早い段階からローカルの強みは感じたりもしてて。名古屋みたいな大都市のバンドじゃなくて良かったと思うこともあるし。僕らには地元の岐阜に柳ヶ瀬Antsというホームグラウンドがあって、そこに対する気持ちがお客さんにも伝わってるから、チケットもすぐソールドするんです。

ーー周りの意見や流行り廃りには左右されないという気持ちがあったりは?

末武:ありますね。流行りというよりは、自分のやりたい、好きな曲を作りたいし、自分たちが観たいと思うようなライブをやっていきたい。そこは結成してからずっと変わってないところです。

ーーだんだんと注目されるようになり、SNS等でもいろんな意見を目にして、ブレることがあってもおかしくないけれど、KUZIRAからはそういう雰囲気を一切感じないですね。

末武:わりと熊野とかは、Twitterの否定的な意見を見ると、いいねを押しちゃってましたけど(笑)。

熊野:「はい、見ましたよ」って(笑)。

一同:ハハハハ(笑)。

熊野:ただ、そういうのもあんまり良くないなと思って、Twitter自体をやめちゃいました(笑)。

末武:僕はあんまりそういう意見を気にしてなくて。やっぱ、好きなバンドはブレることがないというか。音楽性が変わったとしても芯はブレない。そういうバンドに憧れてここまでやってきたので、ブレるとダサいなと思っちゃいます。

ーーシャー:DさんはKUZIRAにそういう突っ張ってる部分を感じてたり?

シャー:D:そうですね。例えば、新作の楽曲にしても、新しさはあれど、根本は全然変わってないし。自分が携わって制作していく中でもそう感じてました。

ーー日本のメロディックパンクシーンって、文脈を大事にするというか、これまでのマナーを大事にすることが多いと思うんです。言ってしまえば、伝統を重んじる体育会系のノリみたいな。KUZIRAはそういったことにリスペクトをしつつも、また新しい価値観を持ってるような気がしてるんですよね。

末武:基本、僕らは陰キャなんですよ(笑)。大学時代、熊野はずっとひとりでいたし、僕もひとりでご飯を食べたり。だから、そういう体育会系のノリができないっていうのが正しいのかな。

熊野:たしかにできないよね。

末武:人付き合いとかも上手くないし。

シャー:D:そう言えば、2人は打ち上げでも「友達ができない」みたいなことを話してましたね。

末武:酒も飲めないし。だから、無理しなくていいんじゃないかな、っていうのはあります。

ーーそういったところに入っていきたいという気持ちはありますか?

熊野:ありますけど、難しいですね。やっぱり、できないから。あと、バンドを始めてから、そういう先輩・後輩みたいな上下関係を持った人に会ってないというのもあって。もしかしたら、今のメロディックパンクシーンにはあんまりないのかもしれないです。

ーーバンドとして、メロディックというところにこだわりは持ってます?

末武:ジャンルとか……「メロディックって何だろう?」とはなりますよね。

ーー実際、何かの定義があるわけじゃないですからね。とはいえ、KUZIRAがメロディックパンクと言われることは理解できますか?

熊野:そうですね。結構前に僕の中では答えが出てるんですけど、メロディックパンクというのは音楽的側面じゃなくて、シーンのことを言ってると考えてて。ジャンル的なことはわからないんですけど、そのシーンにKUZIRAは絶対に入ってますね。

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May 16, 2021 at 10:00AM
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