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「繭の集合体」を作る新種のハチを発見、日本で - ナショナル ジオグラフィック日本版

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屋久島で採集されたホシガタハラボソコマユバチの集合繭。枝葉からつり下がっていたときの糸が左端から伸び、その近くに繭から出たばかりのハチが見える。この寄生バチは屋久島のほか、沖縄島や奄美大島でも確認されている。(写真:小西 祐伸)

屋久島で採集されたホシガタハラボソコマユバチの集合繭。枝葉からつり下がっていたときの糸が左端から伸び、その近くに繭から出たばかりのハチが見える。この寄生バチは屋久島のほか、沖縄島や奄美大島でも確認されている。(写真:小西 祐伸)

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 南西諸島のいくつかの島で、小さな小さな“星” が見つかった。直径2~3センチほどのこの物体は100~200個ほどの小さな繭(まゆ)が集まったもので、集合繭と呼ばれる。ツンツンと突き出ているのが1個1個の繭。外向きに放射状に並んでいて、クリスマスのオーナメントよろしく、枝葉から長い糸でつり下がっている(写真は採集され、横に置かれた状態)。

 この特徴的な繭をつくったのは、スズメガの幼虫に集団で寄生するコマユバチの一種で、大阪市立自然史博物館の藤江隼平さんを中心とした神戸大学、沖縄市立郷土博物館、九州大学の研究チームによって、新種であることが確認された。星形の集合繭をつくる寄生バチは世界的にも珍しく、日本での発見は初めてだ。藤江さんたちは繭の形から、この新種をホシガタハラボソコマユバチ(Meteorus stellatus)と命名した。

 コマユバチの幼虫たちは宿主であるスズメガの幼虫の体内から一斉に脱出すると、糸を吐いて枝葉からぶら下がり、風や自身の運動によって互いにからみ合って合流し、協働して集合繭をつくる。繭をつるすことでアリなどの歩行性の天敵からの攻撃を軽減でき、たくさん集まることで個々の繭が外界に露出する面積を小さくして飛翔性の天敵からも攻撃されにくくしていると考えられている。

文=大塚茂夫(ナショナル ジオグラフィック日本版編集部)/写真=小西祐伸

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