NHKの番組「ファミリーヒストリー」や「日本人のおなまえ」の影響か、自分の先祖に興味を持つ人が増えている。そんな人たちに、今人気なのが「家系図」作り。これまでに5000件以上の家系図を作成してきたという家系図作成専門の行政書士、渡辺宗貴さんに話を聞くと、意外な事情も見えてきた。
ここ10年ほどは、毎月300件前後のご相談を受け続けています。その中では、「自分探しのため」「先祖への感謝」「単なる興味関心」「歴史好き」「誰か有名な人につながらないか?」など、さまざまな理由で家系図を作りたがる方々を見てきました。
「子どもや孫に家系図を残したい」という60代以上の男性からの相談も多いですが、それ以上に多いのが30~40代、50代のビジネスパーソンです。この年代は、出産や親の死などがきっかけとなって、普段あまり意識しない「家系」に関心を持つことが多いようです。
ちなみに、年代にかかわらず4割以上が、女性の方からのご相談です。家系図に関心を持つ人に男女は関係ないようです。
ご職業は、経営者やお医者さん、看護師さんがやや多いかもしれませんが、まったくもって、いろいろな方々です。
―家系図の魅力は何でしょう。
身もふたもない言い方ですが、家系図に特別な利点はないです。なくても困りません。
ですが、普段当たり前であるがゆえに意識しないことの多い、「家族とのつながり」を再認識させてくれるのが家系図です。お互いに優しくなるきっかけになります。心穏やかに過ごす一つのきっかけにもなります。
また、家系図には、言葉では説明できない魅力もあるように思います。長く続いた家制度や、名字を大切に扱い、先祖や家系に誇りを持って生きてきた長い歴史の中で、私たち日本人には、ご先祖様を知ることへの本能的な欲求が形づくられてきたのかな?…などと、大げさなことも思っています。
今ならたどれる幕末の家系
―家系図を作る上で、知っておいてほしいことは何ですか?
テレビ番組の影響もあり、家系図への関心は高まっています。いつか作ろうと考えている人も大変多いです。
ですが、今作らなければ、「いつか」では、家系図を作ることはできなくなります。私たちの子どもや孫は、今なら作ることが可能な家系図を、永久に作れなくなってしまうんです。
―どういうことでしょう。
家系図を作るためには、ご先祖様の古い戸籍を集める必要があります。
日本には古くから戸籍制度があり、日本国民は誰でも古い戸籍で江戸末期から明治初期、おおよそ150~200年前、世代にすると平均して4~5世代たどった家系図が作れます。
しかし、あまり知られていませんが、古い戸籍には保管期限があります。
戸籍には150年の保管期限があり、ちょうど150年前に当たる江戸末期から明治初期のご先祖様の戸籍は、これからどんどん破棄されてしまうんです。
また戸籍だけではなく、昔のことを知る方も少なくなっていきます。先祖の記録が記載されているかもしれない文献も、個人情報保護の観点から閲覧しにくくなっています。先祖の墓石を見つけたとしても、150~200年前後で風化しますので、どんどん文字が読めなくなっていきます。
そういったわけで、家系図を作るなら今しかありません。一日でも早く作ってほしいです。
渡辺 宗貴(わたなべ・むねたか) 家系図作成代行センター株式会社代表。行政書士。北海道釧路市生まれ。行政書士として開業当初、たまたま家系図作成という業務があることを知る。興味から自分の戸籍を取って家系図を作ってみたところ、意外な手続きの面倒さ、古い戸籍の文字を読む難しさを知り、以後、専門業務として扱う。
「わたしの家系図物語(ヒストリエ)」(時事通信社)詳細はこちら
(2022年06月21日掲載)
June 22, 2022 at 10:46AM
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