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「誰もが気軽に楽しめるランボルギーニ」を作るため誕生した一台とは? - マイナビニュース

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「誰もが気軽に楽しめるランボルギーニ」を作るため誕生した一台とは?

若いタレントたちが創ったミウラが予想以上の評判を得るなか、ひとり創始者フェルッチョだけは会社の未来を案じていた。誰もがもっと気軽に楽しめるベイビー・ランボが必要になる…そうして生まれたのが後のウラカンへと連なるウラッコだった。

フェルッチオ・ランボルギーニは、自分が何を望み、その実現のためにどうすべきかを完全に把握したうえで、アウトモビリ・ランボルギーニを興した。1962年の秋のことである。
 
新たな工場はかつてない早さで建設しなければならず(事実、翌年の63年には操業を始めた!)、とにかく世界中から憧れを集めるスポーツカーを造らなければならなかったのだ。
 
その実現のために、すでに成功を収めた起業家であったフェルッチオは金に糸目をつけることなどなかった。たとえば自動車エンジニアリングの世界において最高の人材や最も嘱望された若者を自ら選定し雇いあげている。ジャンパオロ・ダッラーラ、パオロ・スタンツァーニ(大学を卒業したばかりだった)、ジオット・ビッザリーニ、そしてテストドライバーのボブ・ウォーレスといった綺羅星の如き才能が新たな会社の強力なエンジンとなり、ここが最も重要なところだが、皆がフェルッチオの大志を共有していたのである。そんなわけだったので、1966年にかのミウラが登場するや、彼の目論見はほとんど成功したという評価を自動車界は下している。実際、この後のランボルギーニ車は世界中から称賛されたものだ。
 
けれども優れた起業家であるフェルッチオは、立ち止まることをよしとはしなかった。ミウラのオーダーを捌き切れないほども抱えてもなお、たった一種類の12気筒スポーツカーだけで会社を末長く成長させていくことなどできないことも分かっていたからだ。そこで彼はより小さなモデルを企画するよう開発陣に指示している。
 
カロッツェリア・ベルトーネの製作によるワンオフモデルのマルツァルがその第一歩だった。ミウラをデザインした、これまた若き天才マルチェッロ・ガンディーニの作品で、かの4リッターV型12気筒をちょうど半分にした2リッター直列6気筒エンジンをリアに搭載していた。

 
ダッラーラの回想によると、「ミウラが大成功を収めていたから、別のモデルで生産台数を増やすためには、できるだけシンプルな手法を取らなければならなかったんだ。だからまずは12気筒エンジンを半分に切ってマルツァルに積んでみたんだよ。あの12気筒エンジンの半分で果たして役に立つものかどうかを見極める、それは大胆かつ金のかからない方法だったからね。もし上手くいけそうなら、開発も生産もずっと楽になるはずだった。共通のパーツが沢山あったわけだから。でも、実際にはだめだった。非力すぎたんだ」
 
ボブ・ウォーレスもマルツァルをテストした結果、こう断言している。「いくつか気になる点はあるけれど、それは開発にもう少し金をかければなんとかなるだろう。それよりも根本的に問題だと思われるのは、そもそもこのエンジンがランボルギーニらしくないということだ。パワーが圧倒的に足りていない」
 
1969年、すでにランボルギーニの開発責任者となっていたパオロ・スタンツァーニはまったく新しいモデルの開発に取り掛かることを決心した。新開発のV8エンジンを積む、そう、後のウラッコだ。

【ベイビー・ブル ウラッコ】(写真10点)

「ウラッコは私が開発に関わったモデルの中で最も革新的な車だったよ」と、後にスタンツァーニは筆者(マッシモ・デルボ)にそう語っている。ミウラやエスパーダ、カウンタックといった名車を差し置いての高い評価が興味深いところだろう。「すべてが斬新だったんだ。ひとたび会社がその新たなプロジェクト、V8エンジンをリアミッドに横置きした4シータークーぺというコンセプトを承認すると、まったく白紙の状態から設計を始めなければならなかったよ。もちろん、スタイリングはマルチェッロ・ガンディーニに任せた。こんなユニークなプロジェクトを任せられる人材など他には見当たらなかったからね。ガンディーニは人間的にも素晴らしい男だったし、もちろん才能溢れるデザイナーで、なにより彼はエンジニアリングにも通じていたんだ。こちらから特に指摘しておかなくても、ここには冷却用の工夫が必要だろ?、なんていう具合にね」 

ガンディーニからの第一案はベルトーネのショーカー、アルファロメオ・カラーボ(1968年)から多くのヒントを得たスタイル、第二案は数年後に登場したフェラーリ308GT4と酷似したデザインで、いずれも承認されなかった。ランボルギーニが最終的に承諾したのは第三の案で、これがわずかにモディファイされ、ウラッコとして生産にこぎつけたのだった。

一方スタンツァー二は・・・次回へ続く

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February 27, 2021 at 02:52PM
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