米紙「ニューヨーク・タイムズ」の記者サラは、コロナ禍で姉のヘバと同居を始めると、彼女が幼いころから語っていた前世を少しずつ受け入れるようになった。 【画像】姉が持っていた、私じゃない「私の写真」の謎 ヘバは自身を「ナダ」と名乗り、前世の夫のことまで覚えていた。精神世界の存在には懐疑的だったサラだが、母の友人のある一言で“前世と現世”は急激に交錯し──。
私ではない「私の写真」
私たち姉妹がまだ幼かったころ、姉のヘバが寝室のドレッサーの上に置いていた1枚の写真にいつも目を奪われていた。姉は、私がその写真に写る赤毛の女の子だと言ったが、私の髪は生まれつきブロンドの巻毛で、当時は明るい茶色だった。 写真の女の子は私と同じくサラという名で、写真にまつわる一部始終を後に知ることになるのだが、それは不可解すぎて当時の私にはまるで理解できなかった。 私の家族はイスラム教のドルーズ派だ。1000年の歴史を持つ宗派で、信徒は主にレバノン、シリア、イスラエル、ヨルダンで暮らしている。 ドルーズ派の信条のひとつに「すべての人間は輪廻転生する」というものがある。肉体は殻であって、魂は永遠に生きるために別の生命体に宿ることができるという。ドルーズ派の一部の人々は前世を詳細まで思い出せると言われている。 私の姉がその一人だ。
マクトゥーブ──すべては定められたこと
私は精神世界に関してヘバよりも懐疑的だが、姉の経験を否定したことはない。故郷であるレバノン出身の人が亡くなった後に新しい肉体で「生まれ変わった」話はほかにも聞いたことがあったので、姉の話もこじつけには思えなかった。 それでも、私は姉の前世について公の場で話すつもりはなかった。夕食会で話すところを想像してみても、あきれ顔をされるのがオチだと思った。星座について延々と話す友人を私がさえぎるみたいに。 ただ、コロナ禍の米ニュージャージー州で姉と暮らすようになると、私はそうした皮肉な見方をやめ、姉が信じることを受け入れられるようになった。 私が宗教に疑問を持ち始めたのは12歳のころ。当時は家族とニュージャージーからレバノンに戻ったばかりで、宗派対立が激しいことにショックを受けていた。 16歳で父をがんで亡くしたとき、アラビア語の“maktub”(マクトゥーブ)というフレーズをやたらと耳にした。直訳すると「それは書かれている」という意味だ。 この信条の言わんとするところ、つまり「運命を受け入れる」ということは理解できたが、人間の努力などまったく無駄だと思わせるように感じた。 両親もまた、魂は死後も生き続けると私たち姉妹に教えてくれたが、そう信じると人生がかけがえのないものには思えなくなった。
September 13, 2021 at 09:30AM
https://ift.tt/3EdGqZB
“前世の夫”にサンドイッチを作る姉 私が「姉の輪廻転生」の体験を受け入れるまで(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
https://ift.tt/35vzQLu
Mesir News Info
Israel News info
Taiwan News Info
Vietnam News and Info
Japan News and Info Update
Bagikan Berita Ini
0 Response to "“前世の夫”にサンドイッチを作る姉 私が「姉の輪廻転生」の体験を受け入れるまで(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース"
Post a Comment