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「ものを作るって賛否があるべきだ」オダギリジョー、着ぐるみで警察犬に - 読売新聞

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 俳優のオダギリジョーがオリジナル脚本を書き、演出、編集を手がけ、出演もしたNHKの連続ドラマ「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」(金曜後10・00)が17日から始まる。警察犬の視点を取り入れた異色の警察ドラマ。「僕が作るものはだいたい賛否が分かれるものになるのは自覚しています」とオダギリ。視聴者の反応を心配しつつも、楽しみにしている。(文化部 田中誠)

 鑑識課警察犬係に所属する一平(池松壮亮)が、相棒の警察犬オリバーと、不可解な事件に挑んでいく。オダギリは着ぐるみを着て、オリバーを演じる。

 「『この人にやってもらおうかな』と思える人が何人かいて、プロデューサーに相談もしたんですけど、他の方に任せて、批判の矢面に立たせてしまうよりは、自分が演じることで、最後まで責任を取るべきだという気持ちになりました」

 構想は10年ほど前からあった。テレビドラマの世界では、一つのクールに必ずといっていいほど、警察ドラマが作られている。数ある警察ドラマの中で、どう個性の差をつけるかを考え、出した答えが、警察犬を入れることだった。

 「人間を客観的に見ることができ、人間のエゴや悪徳を斬ることができる、今までになかった広がりを作れるのではないかと思ったんです。ドタバタコメディーなのに、格好いいものにしたい、そのギャップを楽しみたかった。いかにカルチャーとして格好いいと感じてもらうものにするかが、一つの大きな挑戦でした」

 全3回。第1話の脚本を書いた頃は、NHKで放送することは決まっていなかった。挑戦的な作品だけに、どこと組むべきかということには、すごく慎重になっていたという。

 「テレビの深夜枠だったり、ミニシアター系の映画だったり、配信だったり。選択肢はたくさんあったんですけど、どれも、しっくりし過ぎてしまうというか。しっくり来るっていうのは、悪く言うと、ありがちな気がしたんです」

 最終的には、「一番組みそうにない相手」と思っていたNHKと手を組むことに。「聞いたときは、とても驚きましたね。この作品は、いつもNHKを見ているような方に、どのように迎えられるのかなと思うと楽しみです」

 過激な表現については、もちろんたくさん注文が付いたそうだが、むしろそれを面白がって、受け入れるようにしていたという。

 「ダメな表現であるならその部分を『ピー音』にした方が、視聴者の興味がより高まるかもしれないし、画面にモザイクをかけたことで逆に面白い () になったと思うし。NHKさんからの注文が、作品にとってはプラスになったというか。困難があっても、クリエイティブな乗り越え方ができれば、この作品のためになるので、そこを目指しました」

 主役の池松を始め、フリー記者役の永瀬正敏、鑑識課員役の麻生久美子ら数多くの人気俳優が集まった。

 「こういう独特な世界観のドラマは、あまり多く作られるものでもないでしょうし、そもそも僕が連続ドラマを監督するなんて、人生で何回あるか分からない。一種の“祭り”のような出来事だと思うので、スタッフもキャストも皆さん楽しんで参加してくれていた、という印象です。現場も幸せなムードでしたし、一度もピリピリしたことがなかったんじゃないですかね」

 主役に起用した池松については、以前、映画で共演した際、「作品に対して、愛情をもって誠実に向き合うタイプの俳優だな」と感じ、出演を依頼した。「演出をする必要がなかったですね。自分がイメージした台本の流れやそのシーンの目的、テンション、そういうものを、ほぼ間違いなく理解してくれて、芝居をしてくれました」。

 一方、テレビの連続ドラマ「時効警察」でも共演した麻生については、「今回のドラマの“笑い”を作る役どころだったので、たくさん演出を付けさせてもらいました」と笑う。

 「ニュアンスや間やテンポや抑揚、全てに事細かく。池松くんにはほとんど演出を付けないのに、麻生さんにだけはとことん付けるから、みんなちょっと引いていたと思います」

 松重豊、柄本明、橋爪功らベテランも参加。中でも、スーパーボランティアを怪演した佐藤浩市については、「最近シリアスな役が多いので、この役を楽しみにしていてくれたそうです。衣装合わせのときから本当にいろいろなアイデアを出してくれて、現場でも、『ここまでお願いすると怒られるかな』と思いながらお願いしたことも、楽しんでやってくれました」と感謝する。

 俳優としての活動と同時に、テレビドラマの演出、映画の監督も手がけ、2019年には、やはりオリジナル脚本の映画「ある船頭の話」が、ベネチア国際映画祭の並行部門「ベニス・デイズ」に出品された。そもそも脚本を書くことと演出することは、「セットであるべきだと思っているんです」という。

 「その方がオリジナリティーを深められると思っています。自分はプロの監督ではないので、他の方が書いた台本を、その監督なりの表現で映画にするっていうことは不慣れだし、そういう能力はないと思っているので、自分が作品を作るときは、自分で脚本を書かなければいけないっていう気持ちが強いですね。映画は芸術性や作家性が先に立つべきだと思っているので、脚本も演出も編集も、自分でやりたいという気持ちになってしまいますね」

 本人の自覚通り、賛否両論ありそうな“攻め”のドラマになった。ただ、「僕はものを作るっていうことは、賛否があるべきだと思ってるんです」と持論を語る。

 「みんなが共感できたり、みんなが安心して見られるものだったら、自分が作る必要がない気がするんですね。見たことがないもの、誰も作ろうとしなかったもの、何かしらの挑戦があるものじゃないと、作る必要性を感じないんです。自分はいつでも、自分が不安になるような、挑戦的な作品を作らなければならないという意識でいます」

 そして、作品を作るときはいつも「世界に通用する作品にしたいと思っています」。穏やかな口調で、確固たる信念を語った。

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September 17, 2021 at 08:01AM
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