外観検査の自動化など、製造業務全体の改善を目的にAI導入を検討するメーカーは、今や珍しくない。一方で、AI開発を完全に内製化している企業は少なく、ほとんどのメーカーは外部のITベンダーにAI開発を外注することになるだろう。
この過程では、現場担当者の課題感をまとめた上でITベンダーに伝え、お互いに認識をすり合わせながら開発プロジェクトを進める必要がある。時間がかかるためプロジェクト全体が長期化しやすく、コストも多くかかりやすい。
これに対して、AI inside 代表取締役社長 CEOの渡久地択氏は「最も理想的なのは、現場の課題を良く知る担当者が、課題解決に効果的なAIモデルを自力で開発することだ」と指摘する。こうした環境を提供するサービスとしてAI insideが2021年4月21日に提供を開始したのが、プログラミングの非専門家でも簡単にAIモデルを作成できるノーコードAI開発クラウドサービス「Learning Center」だ。
同サービスを利用することで開発経験が無い人でもAIが作れるという。こうしたノーコードAI開発ツールは製造業をどのように変え得るのか。Learning Centerの特徴と併せて渡久地氏に話を聞いた。
現場担当者がAIを作れるサービス
AI insideは2015年に創業したAIスタートアップで、主にAIを「使う」「動かす」「シェアする」「作る」といった4つの領域にフォーカスした事業展開を行っている。
例えば、「使う」の領域では、同社の主力製品であるAI-OCRエンジン「DX Suite」などを含むワークフロー改善ツール群「Workflows」を今後本格的に提供する予定だ。OCR(光学文字認識)製品についてはこれまで製造業でもバックヤード領域や製品ラベルの印刷ずれの検知などに用いられてきた。この他、「動かす」ではエッジAIコンピュータ「AI inside Cube」や小型版の「AI inside Cube mini」を展開する他、「シェアする」の領域ではAIモデルの共有を図るプラットフォーム「Marketplace」の立ち上げなどを構想している。
そして「作る」領域でのAI insideが新しく提供開始したクラウドサービスがLearning Centerである。AI insideがOCR用途などのAIエンジン開発に用いていたツールがベースになっている。現場担当者がAIを作れるため、課題感をITベンダーに伝える際に生じ得る“知見のロス”などが少なく済み、コスト的にも時間的にもメリットが大きい。
Learning Centerを用いたAIモデル開発の流れは以下の通りだ。AI insideと資本業務提携を結ぶ大日本印刷(DNP)が実際にLearning Centerで開発した、エレベーター前の混雑度分析用AIモデルを例に挙げて紹介したい。
Learning Centerを用いて開発した、映像内の対象物を判定するAIモデル
まずはエレベーター前で実際に撮影した動画を用意する。学習用の動画データは約10時間分を用意したという。次にLearning Centerにワークスペース(フォルダ)を作成して、動画のアップロードを行う。次にAIに認識させたい対象が映った画像をアップロードして、アノテーション用のラベル(「worker」「handcart」など)を入力。ラベルに対応する画像内の対象物を範囲指定して、各個選択する。
その後、開始ボタンをクリックすると、自動的に学習を行い、映像から対象物の数をカウントするAIモデルが完成する。画像の前処理やソースコードのチューニングなど最適化の作業を行う必要はない。
Learning Centerでの開発手順
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May 11, 2021 at 12:00PM
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「現場でAIを作る時代」が来るか、ノーコード開発ツールの可能性 - @IT MONOist
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