2021/04/24 05:39 ウェザーニュース
今年から気象庁は観測を行わなくなくなりましたが、ウェザーニュースではツバメがどこまで飛んできているのかアンケート調査を行いました。結果は、西のエリアほど目撃率が高くなっており、四国では7割以上となっています。4月上旬には10%台だった関東や東北でも、目撃率が高くなっていることが分かります。今後はさらに見る機会が増えそうです。
これはなぜなのか、詳しい話を公益財団法人日本野鳥の会・自然保護室の岡本裕子さんに伺いました。
巣が残っていないときは、近くの古巣を使ったり、新しく巣をつくったりします。巣作りと子育てはオスとメスが協力して行います。巣の材料は主に泥と枯れ草です」(岡本さん)
オスとメスでは戻って来る時期がずれていたんですね。また、前の年の巣の位置を覚えているのも凄いことですが、ツバメの巣が人の出入りの多い場所に作られているのはなぜなのでしょう。
多くの野鳥は、あまり人目につかない場所で子育てをしますが、ツバメの場合は、人に見守られて子育てをすると言ってもよいでしょう。ツバメの子育ては、私たちの家や学校の周りなど身近な環境で観察できるので、ツバメの巣を見つけたらぜひ、巣作りから産卵、子育てからヒナの巣立ちまでを観察してみてください。当会で行なっている『ツバメの子育て状況調査』に情報をお寄せいただけると、インターネット上で簡単にツバメの巣マップを作ることができます」(岡本さん)
「いくつかの調査結果から、ツバメは減少傾向にあると考えられます。原因として、里山の自然や農耕地の減少により、ツバメのエサとなる虫が少なくなっていること、また最近は西洋風家屋が増えて軒がなかったり、汚れを防ぐために壁が加工されて巣が作りにくくなっているということがあげられるでしょう。
さらに最近では『フンで汚れるから』とせっかく作った巣が人の手によって落とされてしまうということもあります。昔はツバメが巣を作るとその家は繁栄するとして幸福のシンボルだったツバメが、今では邪魔者扱いされることもあるのです。でも、ツバメのフンが多くなるのは子育ての期間のほんのいっときなので、巣の下に簡単な『フン受け』を作るなどして、あたたかく見守ってあげたいですね」(岡本さん)
1日に何百回もせっせとヒナにえさを運ぶツバメは、害虫を駆除してくれる心強い益鳥です。姿も鳴き声も愛らしいツバメの子育てをじっくり観察してみませんか。
日本野鳥の会「消えゆくツバメをまもろう」(https://www.wbsj.org/activity/conservation/research-study/tsubame/)、ツバメを観察してみよう:ツバメの子育て状況調査(https://www.wbsj.org/activity/conservation/research-study/tsubame/observation/)
April 24, 2021 at 03:39AM
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人口減少でツバメも減少傾向? ツバメが人通りの多いところに巣を作る理由 - ウェザーニュース
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