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DX戦略を作るのに必須となる、5つのビジネスフレームワーク - IoT NEWS

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DXが、「ビジネスモデルやビジネスプロセス全体をデジタルありきで変革するものだ」とわかったとして、次の一歩が踏み出せない、というご意見を伺いました。

ビジネスモデルにせよ、ビジネスプロセスにせよ、自社のことを横断的に理解していないと、何をどうやればよいやらわかりません。

その一方で、自社に対する理解を飛ばして新しい取り組みに進んでも、取り組み自体が本質的にならない場合がほとんどです。

そこで、自社を知ろうとして、戦略方法論の書籍などによく掲載されている、ビジネスフレームワークを持ち込んで分析するわけですが、みようみまねでやったところで、今度は「これはなんのためにやるのだろうか?」「この書き方で大丈夫なのだろうか?」といったところでつまづく場合をよく見かけます。

そこで、この記事では、ビジネスフレームワークのうち、昔から使われているものを5つ選び、自社のことを整理するテクニックを学びます。

DX戦略を作るのに必須となる、5つのビジネスフレームワーク
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3C分析は意外と難しい

3C分析

まず、企業の整理といえば、「3C」です。Customer(顧客)、Competitor(強豪)、Company(自社)の3つの3を「3C」と呼びます。

3Cという言葉が登場した当時の戦略コンサルタントや、経営者は、やたらと数字+アルファベットの組み合わせが好きなようでした。

この3つを埋めれば良いのですが、みなさんの会社について、埋めることはできますか?

3つの円に整理された情報を入れれば良いというのですが、自社も競合も顧客もそんなにシンプルに説明することはできません。

世の中は、とても複雑化していて、「3Cでまとめろ」と言われても、簡単にはまとまりまらないのです。

実際私もコンサルティングをしていて、残念ながら、3Cでまとめられた試しがありませんでした。

そこで、他のフレームワークが登場します。

SWOT分析は大雑把

SWOT分析
SWOT分析とは

3Cで企業を説明することがとても難しいので、もう少しわかりやすいものはないかと探すと、「SOWT分析」というのが出てきます。

Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Thread(脅威)の頭文字をとって、SWOTなのですが、強みと弱みは、「内部環境」つまり、企業の中を表すもので、機会と脅威は「外部環境」つまり、企業の外の状態を表すものです。

内部、外部にかかわらず、自社にとってプラス方向に働くのが、「強み」と「機会」で、逆にマイナス方向に働くのが「弱み」と「脅威」、となります。

そして、それぞれを埋めることができるのであれば、強みx機会、強みx脅威、弱みx機会、弱みx脅威と、内部環境の要素と外部環境の要素を掛け合わせることで、次の作戦を決めることが可能になるのです。

SWOT分析で次の作戦を決める
SWOT分析の掛け算で、次の作戦を決める

例えば、上の図にあるように、強みと機会を掛け算する場合、チャンスに対して、強みが発揮できるわけですから、ここは積極的な戦略をとるべき、となります。

また、強みに対して脅威が迫っているのであれば、一刻も早く差別化戦略を取らなければなりません。

弱みに対して機会があるのであれば、少しずつでもチャンスを生かせるように、自社を改善していくことが重要でしょう。

最後に、弱みに対して脅威があるのであれば、ここは切り捨てるという選択をする方が賢明かもしれません。

この様に、SWOTの要素をきちんと定義できるのであれば、次の戦略を明確にすることが可能にります。

しかし、私の経験から言って、多くのビジネスマンが、自社の強み、弱み、機会、脅威といって、やっぱりすらすらと埋めることはできません。

もしかしたら、思いついて、各マスに対して、2、3個のことを書き出すことはできるかもしれませんが、企業をそんな少ない要素で語り切れるわけもなく、埋めた図を眺めて、「これでいいのかな・・・」となってしまうのがオチでしょう。

SWOT分析は、実は3Cと同じく、大雑把すぎて難しいのです。

ただ、ここでいう、内部環境と外部環境という区別は、社内で起きていることと、社外で起きていることを分けて考えることができます。

さらに、内部環境は、「ヒト、モノ、カネ」で構成されているし、外部環境は、政治など自分ではどうにもならない「環境要因」と、「競合や顧客、パートナーやサプライヤー」といった、自分である程度つながりの形を帰ることができる要因に分解することができます。

そこで、まず、自社の外側にある世界、外部環境を見るフレームワークを紹介します。

環境要因を見極めるためのフレームワーク、PEST分析

PEST分析
PEST分析の具体例

PEST分析は、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(テクノロジー)の要素を明確にするという外部要因の分析手法です。

政治は、法制度や規制の改正や、消費税増税などがこれにあたります。

経済は、金利、消費傾向、為替。社会はライフスタイルや少子高齢化といったことが要因になりえます。

最後にテクノロジーについては、IoTNEWSでも日々取り上げているので、読者の方からすればすでによく研究をしている要因とも言えます。

外部環境の環境要因といって、ここまでブレイクダウンされると、「ああ、そういうことか」となるのではないでしょうか?

SWOT分析の外部環境を埋める際、こういった要因について、一つ一つ検証し、それが自社にとって、「機会」となるのか「脅威」となるのかを明確にすればよいのです。

ただ、これにも一つ問題があります。実は、それぞれの要因について、自社への影響を知ろうとすると、それなりの基礎知識が必要となるということです。

多くのビジネスマンが、この途方もない量の知識をえるということに対して、抵抗があるでしょう。

全ての要因について、専門家レベルの知識が必要ということではなく、専門家の書いた記事や、書籍を読み解くくらいの知識があれば、ここを紐解くことは十分可能だと言えます。

社会人になりたての頃、新聞を読めといわれ、読んでみたものの、あまりにも知らない言葉が多くてやる気を無くしたビジネスマンも多いのではないでしょうか。しかし、何年もビジネスマン経験を積んでいると、案外新聞くらいはよめるようになるものです。

DXのような大きなテーマに取り組むとなれば、こういったことから逃げずに、一つ一つ時間をかけて習得していくことが重要になります。

こうやって、環境要因について知ることができたら、次は、自社を取り巻くプレーヤーの分析に進みます。

プレーヤーの脅威を5フォース分析で知る

5フォース分析で登場する要素
5フォース分析で登場する要素

自社を取り巻くプレーヤーとして初めに思い浮かぶのは「競合」でしょう。

我々もよく、競合調査を依頼されます。

しかし、自社を取り巻く環境を評価する際、競合だけに気を取られていてはいけません。

上の図にあるように、他にも、「新規参入者」「代替品」「顧客」「供給業者」という要素もあるのです。

新規参入者を阻む、「参入障壁」

新規参入者が自社のマーケットに入ってこようとしていても、「参入障壁」が高ければ、簡単に入ることはできません。

この参入障壁とは何をさすのでしょうか。

例えば、ブランド力、ブランド力の高い企業がしのぎをけずる、高額なアパレルブランドの世界では、簡単に新規参入を行うことができません。

圧倒的な資金力の前では、新規参入することも難しいでしょう。また、クルマの様な高額商品の場合、テスラのような新規参入者が来たからと言って、いくらデザインが似ていて、気になったとしても、簡単に切り替えるわけにはいかないということになります。

また、顧客数が一定以上多くないと成り立たないマーケットなども簡単には参入できません。スマートフォンをタダ同然でばら撒いていたケータイキャリアは、その結果、多くの利用者を集め、通信料金を得ることができる前提だからこそ、ビジネスが成り立つわけで、新規参入は難しい市場となります。

安い代替品の脅威

医薬品で、「ジェネリック」というものがあります。これは、効果が高いとされる医薬品とほとんど同じ成分で、代替品を販売するものです。

マツモトキヨシなどは、プライベートブランドで代替品を作っていて、もとの人気商品よりも安い金額で販売されているため、もとの商品を作っている企業からすると脅威となるのです。

他にも、牛丼チェーンや、回転寿司チェーンのような安価な外食チェーンも、代替品だらけの市場ということで、価格競争を強いられます。

代替品がある市場であれば、価格以外のバリューをどのように提供するかが重要になるのです。

顧客の力が強いという脅威

例えば、大手スーパーなどでプライベートブランドが作られるケースがあります。

これまで、人気商品を作っていたメーカーからすると、プライベートブランドを作られてしまうと、棚からどけられてしまったり、価格交渉をされたりしてしまいます。

なにせ、店頭での陳列場所などで、売れ行きは大きく変わるので、流通量が多く、売り場を決められる大手スーパーは、メーカーに対して力が強いものです。

メーカーからすると、大手スーパーは顧客となるわけですが、この顧客の力が強いと、こういった脅威が発生します。

供給業者の脅威

世界の半導体でも高性能なものを作っていることで有名な台湾の半導体メーカーTSMCは、iPhoneなどの重要な部品を供給しているメーカーとして有名です。

世界中の高性能スマホを作る企業からラブコールがあるサプライヤーなのですが、米中貿易摩擦の際、中国のスマホメーカーHuaweiに対する供給をストップしました。

その結果、Huaweiは新しいスマホを販売することができなくなったのですが、供給事業者の力が強く、その製品に依存したマーケットでは、こういったことが発生します。

供給ストップとまでいかなくても、価格交渉をされ、コスト高になる可能性もあるので、供給業者の脅威は恐ろしいです。

5フォース分析では、競合企業以外の脅威を見るための視点をお伝えしてきましたが、外部環境の中でも自社を取り巻く企業や顧客を見る上で役立つ視点であるとも言えます。

DXにおける、儲けの仕組みをしることができる「ビジネスモデルキャンパス」

みなさんの会社に関する、「儲けの仕組み」をうまく解説できますか?

大きな企業になるほど、仕組みを説明することが難しいものです。

デジタルトランスフォーメーションを行おうと思った時の外部環境を知るための視点はこれまで説明してきました。

次に、自社の「儲けの仕組み」を理解します。

儲けの仕組みは、案外難しいです。

ビジネスも単純じゃないし、5フォース分析でも解説したように、自社の周りのプレーヤーは案外多いものです。

複雑な環境の中で、自社の儲けの仕組みを知るということは、「次の一手」を明確にしていくにはとても重要なのです。

ビジネスモデルキャンパス

上の図が、「ビジネスモデルキャンパス」と呼び、自社の儲けの仕組みを説明するフレームワークです。

9つも埋めるところがあるので、ちょっと引いちゃった人もいるかもしれないですが、この9つを埋める過程で自然と、自社の儲けの仕組みを理解することができます。

コンビニの例で、この9つのフレームを埋めていくとしましょう。

VP(Value Proposition):提供価値

商品そのものではなく、顧客が「感じる」利益のこと。

コンビニでは、「近所にあって、素早く必要なものが手に入る」という価値になります。

KA(Key Activities):主な活動

ビジネスモデルを実現するための活動。

コンビニは、「商品販売」

KR(Key Resources):経営資源

ヒト、モノ、カネ、特許やノウハウも。

コンビニは、「店舗」「アルバイト」「運営資金」「運営ノウハウ」がこれにあたります。

KP(Key Partners):外部パートナー

儲けるための外部企業。

コンビニの場合、同じ場所に集まることで、認知を加速しているのを見かけます。

CS(Customer Relationship):顧客との関係

特定の関係を構築するための仕組み。

コンビニは、「ポイントカード」を使って、関係性を構築しています。

CH(Channels):チャンネル

顧客に価値を届けるためのルート。

コンビニの場合は、「店舗」や「ネット通販ショップ」などがこれに当たります。

CS(Customer Segments):顧客セグメント

顧客の年齢、性別、属性など。

コンビニは、「近隣住人の属性」を調べて出店しています。

CS(Cost Structure):コスト構造

費用がかかる仕組み。

コンビニは、「配送効率」「シフト効率」などを明らかにしています。

RS(Revenue Stream):収益の流れ

収益を得る仕組み。

コンビニは、商品を販売して収益を得るだけでなく、手続きを代行して収益を得ています。

これら9つの内容を各視点で埋めていくことで、自社の儲けの仕組みがわかることがご理解いただけましたでしょうか。

こういった自社の儲けの仕組みに対して、外部環境を掛け合わせると、何をすべきかが明確になるし、そこにデジタルを活用する余地があるのか、ないのか、について、本質的な議論を行うことが可能になります。

SWOT分析をしようと思って、どういう視点でまとめれば良いかわからなかった方も、少し前に進んだのではないでしょうか。

本当は、デジタルトランスフォーメーションに関わる全ての人が、こういう視点をもって自社や環境、周辺のステークフォルダーのことを見ていれば、議論も深まるのですが、多くの場合、断片的に見ています。

今回ご紹介したフレームワーク群は、あくまでも一部で、他にもたくさんのフレームワークが存在するので、次の機会に、他のフレームワークも紹介していこうと思います。

DX戦略を作るのに必須となる、5つのビジネスフレームワーク
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March 11, 2021 at 04:00AM
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