全国高校サッカー選手権大会・新潟県大会の準々決勝が今日31日、行われる。新潟明訓はFW内藤大翔(3年)が“弾丸”ロングスローインでチャンスメークし、5年ぶりの全国舞台を狙う。準決勝は11月3日に長岡NTで、決勝は同7日にデンカSで行われる。

部員87人の思いを乗せ、ロングスローを放り込む。164センチの小柄な体からクロスのようなハンドパスを放つ内藤についたあだ名は“小さな飛ばし屋”。「ファーサイドまで飛びます」と胸を張るこの武器は小学5年で取得。特別なトレーニングはしていないが低弾道、ふんわり、ストレートの3種類を投げ分ける。体への負担が大きく多投はできないが「苦しい時間のセットプレーは大事。スローインもセットプレーに入る。悪い流れのときの方が燃える」。

チームの今大会2試合の総得点は10。半数をセットプレーで挙げており、開志国際との4回戦(25日、3○2)では内藤がロングスローで決勝点をアシスト。「うちには高さや、ワンタッチシュートがうまい選手がそろっている。決めてくれると信じて投げている」とCK、FKに次ぐ第3の武器と意気込む。

スローインに加え、複数ポジションをこなす万能性も。坂本和也監督(35)も「裏へ抜けるスピード、ゴールへの嗅覚が抜群。スタメンでもジョーカーでも機能する重要な選手」と期待する。新潟南との準々決勝へ向け、内藤は「厳しい戦いになると思うが自分自身は今大会まだ得点を入れていないので、そろっと1発狙う。肩の方はもう温まってます」。勝利のカギを握る存在の準備は整っている。【小林忠】

◆内藤大翔(ないとう・ひろと)2002年(平14)5月8日生まれ、新潟市出身。エフスリー(西区)-長岡JYFC。昨年の県大会・準決勝の日本文理戦(0●1)では後半途中出場しロングスローで好機を演出。国立大進学へ向け、猛勉強中。164センチ、59キロ。