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ソフィア・コッポラ、低予算映画を作ることで得る自由と困難を語る - VOGUE JAPAN

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Photo: Christoph Soeder/picture alliance via Getty Images

『ヴァージン・スーサイズ』(1999)や『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)、『マリー・アントワネット』(2006)など、女性の視点で物語を紡いできたソフィア・コッポラ監督。女性を主人公にした作品や少なさや女性監督の欠如など、映画業界におけるジェンダーギャップが問題視されるなか、「男性監督が数億ドルも予算を獲得するのを目にしながら、自分はそのほんの一部のために闘わなければいけません」と待遇の違いについてBBCのインタビューで語った。

プリシラ・プレスリーの自叙伝『私のエルヴィス』(1985年刊)を原作に、元夫妻の関係を描く『Priscilla(原題)』を手がけた彼女は、バズ・ラーマン監督が巨額の予算を投じて『エルヴィス』を監督したのに対し、ハリウッドの基準では決して潤沢とは言えない2000万ドル(約28.5億円)で本作を製作した。「この業界の企業文化から取り残されているように感じます。苛立たしいことですが、私は闘い、映画を作る術を手にしてきました。自分の作品を独立して製作すること、そして信じてくれる人を見つけられたことに満足しています」

予算が少ないことで、諦めざるを得ないこともある。本作はたった30日間で撮影したそうだ。「フィルムで撮影したかったのですが、急ぐ必要があったのでデジタルで撮影しました」。また、エルヴィスの音楽は伝記映画にとって欠かせない要素だが、権利面でも支障が生じた。「当初、エルヴィスの楽曲を3曲使用したかったのですが、無理だとわかっていました」。映画では代わりに、ドリー・パートンが歌う「I Will Always Love You」を使用した。「プリシラの物語にフォーカスしたかったので、私にとっては、エンディングで女性の声、ドリー・パートンを流すことが重要でした」。本作ではプリシラの物語と、夫妻の山あり谷ありの関係に焦点を当てているため、エルヴィスの楽曲の不在は気にならず、むしろ的を射たようだ。

こうしたフラストレーションはあるものの、低予算ならではの利点もあると語る。「困難もありますが、低予算で作ることで得られる自由もあります。大作の場合、スタジオのトップから口出しされますが、私はそんな映画を作りたくありません。自由を得た後は知恵を働かせ、一生懸命に工夫する必要があります。でも、私には最高のチームがついています。セットを再利用し、どうにかコスチュームをたくさん用意できました。各部門、本当にクリエイティブな人達が集まり、力を合わせた結果です」

Text: Tae Terai

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December 26, 2023 at 09:59PM
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