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調剤薬局大手の日本調剤が自社開発した医薬品情報(Drug Information、DI)プラットフォーム「FINDAT(ファインダット)」の展開を進めている。2021年8月には調剤薬局チェーンのファルメディコと業務提携し、同社が展開する薬局が導入するほか、明治薬科大学への提供も始めた。教育機関向けの提供は初となる。DI業務に伴う医療従事者の負担を軽減するとともに実践的なスキルを持った薬剤師を育成し、薬局の「対物業務から対人業務」への転換を後押しする。
FINDATは日本調剤が自社開発した高度DIプラットフォームで、2020年6月にサービスを開始した 。医療機関や薬局向けのサービスで、承認されている医療用医薬品の添付文書や原著論文といった様々な情報を集約しており、Webブラウザーで閲覧できる。日本調剤がデータベースを定期的に更新し、既存薬に追加された適応症や新しく承認された薬のレビューなど最新の情報を提供する。
FINDATはこうしたデータベースを核として、様々な機能を提供する。海外規制機関情報や新薬評価など5つの主要コンテンツがあるが、中でも最も特徴的なのが「標準フォーミュラリー」を提案する機能だ。フォーミュラリーとは「推奨薬のリスト」のことである。日本調剤の増原慶壮取締役FINDAT事業部長によると「日本ではフォーミュラリーに関する定義はまだ定まっていないが、医療機関において、患者に対する最も有効・安全で経済的な医薬品の使用における方針と解釈することが適切」だという。
医薬品の中には、似たような作用メカニズムを持ち、同じような効果を発揮するものも多い。こうした医薬品は同一の薬効群に分類され、その中から安全性や有効性などを考慮し最適なものを処方していくことになる。こうした情報を薬効群の中で網羅的に収集・比較し、使用の推奨度をつけてリスト化したものがフォーミュラリーだ。
FINDATが提供する標準フォーミュラリーは、第三者で構成されるフォーミュラリー検討有識者委員会で議論され、中立性を担保しながら推奨度を決定している。「学会のガイドラインで推奨されているか」「有効性や安全性が同等か優れているか」といった優先度の高い基準で差がつくかを検討し、差がつかない場合は「経済的であるか」「他の医薬品で代替できるか」といった下位の基準に照らし合わせて最終的な推奨度を決める。
FINDATには2021年10月1日時点で21薬効群についての標準フォーミュラリーが公開されている。これらは新たに承認された薬や最新の研究結果に基づいて定期的に検討し直されるほか、現状ではカバーできていない薬効群についても追加していく。今後2年をめどに、主要な50薬効群をカバーする考えだ。
October 20, 2021 at 03:00AM
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