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今回はクラウドにデータベースを新たに構築したり、移行する際に知っておくべき、デジタルトランスフォーメーション（DX）時代のデータベースの「新常識」を3つ紹介しよう。
DXの要請から素早い環境変化に対応するために進むクラウド活用。データベースもクラウドでの構築がスタンダードになりつつある。DXの進展でデータベースに対して、これまでより高い次元の要件が求められてきた。
その1つが、収集するデータや分析・利用形態の多様化だ。例えば小売業などでは、従来の顧客や売り上げのデータをベースに、天候や気温、交通情報、店舗近隣のイベント情報などさまざまなデータを組み合わせて分析したいとのニーズが高まっている。分析結果を迅速な予測に生かしたいとなれば、発生してからタイムラグのないデータの取得も求められる。
高度化する要件に応えるため、データベースは進化を続けている。その結果、データベースにも新たな常識が生まれるわけだ。
新常識1：データをコピーせずにすぐに分析できる
1つ目の新常識は「システムからデータをコピーせずにすぐに分析できる」である。これまでのデータ分析では、さまざまなデータソースからETL（抽出、変換、書き出し）ツールを介してデータウエアハウス（DWH）などにデータを統合する手間がかかっていた。夜間バッチ処理などでデータをDWHにコピーする必要があり、鮮度の高いデータを即座に分析するのが難しかった。
「さまざまなシステムのデータをリアルタイムにつなげて可視化するニーズが高まっている」。SAPジャパン インダストリー&カスタマーアドバイザリー統括本部SAP HANA COEの椛田后一シニアディレクターはこう話す。こうしたニーズに応える手法の1つが、「データ仮想化」による統合である。
ビューの定義により、各種データソースに格納されたデータから分析対象のみを仮想的に統合する。従来のDWHのようにデータをコピーして集める必要がないので、データの鮮度を高めやすい、対象データの見直しが簡単といったメリットがある。Denodo Platform、JBoss Data Virtualization、TIBCO Data Virtualizationといったデータ仮想化ツールがそうした機能を備える。
SAPのインメモリー型データベース「SAP HANA」も同様の機能を提供する。「仮想データアクセス」と呼ぶもので、アプリケーションやBIツールを通じて、SAP HANAと連結するそれぞれのデータベースのリアルタイムなデータを参照できる。ユーザー部門に分析したいと言われたデータがあれば、仮想データアクセスを経由し仮想テーブルを立てて、すぐにアクセスできるわけだ。BIツールのTableauと接続すれば、リアルタイムのデータを地図やグラフなどの形でビジュアライズすることも可能だ。
SAP HANAが提供する仮想データアクセスのしくみ
（出所：SAPジャパン）
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SQLで機械学習モデルを作成
データ仮想化のように、データをコピーせずに手軽に分析作業を可能にする動きはほかにもある。例えばGoogle Cloudが提供するDWH「BigQuery」では、標準のSQLクエリーを使って機械学習モデルを作成・実行する「BigQuery ML」を提供する。グーグル・クラウド・ジャパンの寳野雄太技術部長は「BIツールさえあれば、すぐに機械学習モデルに基づいて分析できる」とメリットを話す。Google Cloudが提供するLookerのみならず、Tableauなどの外部のBIツールからでもアクセス可能だ。
「CREATE MODEL...」でモデルを作成、「ML.PREDICT...」で予測のように、SQLに関するスキルがあれば機械学習のモデルを構築し、評価できる。BigQueryのストレージからデータを移動しPythonで機械学習のモデルをつくるような手間が不要なので、分析や開発の速度を上げられる。利用可能なモデルとしては、回帰やK-meansクラスタリング、行列分解などがある。
February 25, 2022 at 03:00AM
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機械学習モデルはSQLで作る、DXで存在感増すデータベース3つの新常識 - ITpro
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