服がどのように作られるか想像したことがある人は、どれくらいいるだろう。「服のたね」プロジェクトは、洋服の主原料となるコットンを育てることで、服の生産プロセスを自分ごと化する取り組みだ。その意義を、企画者・鎌田安里紗さんらとともに考える。
種からコットンを育てる「服のたね」
高校生からギャル雑誌のモデルや渋谷109のカリスマ販売員として、洋服にまつわる仕事で活躍してきた鎌田さん。現在は「エシカルファッション」について考える企画を幅広く展開する。その一つが、「服のたね」という取り組み。服づくりの過程を一緒に楽しむことを目的に、原料となる綿花を種から育て、参加者が収穫したコットンから一着の服を作る、1年がかりのプロジェクトだ。 この取り組みを始めたきっかけは、アパレルに関わる仕事をしているのに「洋服の生産工程が見えてこなかった」ことに違和感を覚えたことだったという。
「109でショップ店員のアルバイトをしていたのですが、しばらくしてから、洋服のデザイン企画の仕事をやらせてもらえることになりました。本社には生地の見本帳みたいなものがいっぱいあって、その中から生地を選び『この生地でこういう雰囲気の服をつくりたい』と伝えると、1週間くらいして外国の工場からできあがった服が送られてくるんです。その時に、組み立てをお願いをしただけで服ができちゃうって不思議だと思ったんですよね。 原材料を育てて、糸にして、生地にして、染めて、縫って、やっと一着の服ができるはずなのに、自分がデザインをする側に回っても、その生産過程が見えない。生産背景のことをお客さまに語れないことも不思議だと思い、工場に行ったりするようになりました」
生産過程を知る中で、アパレルの環境負荷の高さも知った。 「あるとき、知り合いがコットン(ワタ)の苗をくれたんですよね。家で育ててみたら、途中で枯れちゃったり、虫がやってきたり、いろんなハプニングが起きて大変なことを実感しました。そうやって、服を作る過程を知ると、服の完成品を見たときに見える景色も変わるなと思い、生産過程をみんなで体験するプロジェクトを立ち上げました」 一つの鉢から収穫できる綿花はわずか。参加する数十人分をあわせても、Tシャツ一枚分にも満たないという。最終的には紡績工場のオーガニックコットンとブレンドして製品をつくるが、育てる体験を通して、素材や大切さや一枚の洋服を作る大変さを伝えている。
August 26, 2021 at 07:01PM
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【綿から服作り!?】シャツ1枚作るのがどれだけ大変か…育てて実感する、何気ない“服”の環境負荷(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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