大島理森衆院議長（74）＝衆院青森2区＝は12日、青森県八戸市内で記者会見し、次期衆院選に立候補せず、議員を引退する意向を表明した。「世のため人のため働くことができる人材を見いだし、新たなろうそくのともしびを作ることが私の責務ではないかと決意した」と語った。
記者会見で大島氏は「通常国会後、一人で真剣に自問自答した結果、新たな人材を発掘し、後継として働いてもらうことが自分の思想だと考えた」と経緯を説明。後継については「推挙したい人がいる」と話し、党の手続きを経て、近く発表したい考えを示した。
今後の活動については、「若い先生方に政治家のあり方、失敗や経験を伝え、勉強会などの諸活動をしながら日本の政治に貢献していきたい」と語った。
大島氏は毎日新聞社員や青森県議を経て、1983年衆院選で自民党から初当選し、現在12期目。農相や党国対委員長、幹事長、副総裁などを歴任した。国対委員長としての在職日数は今年7月に現在の森山裕氏に抜かれるまで歴代最長だった。2015年から衆院議長を務め、昨年12月には議長在職日数歴代1位だった河野洋平氏を抜き、最長記録を更新している。
17年には議長として天皇退位を実現する特例法成立に尽力し、衆参両院の全党派による会議を主導した。衆院の「1票の格差」是正など与野党協議が難航する懸案で調整力を発揮し、野党側も信頼を寄せる。18年に発表した「所感」では、財務省の決裁文書改ざんなどの公文書問題について「民主的な行政監視の根幹を揺るがす」と当時の安倍政権に猛省を促した。【江沢雄志、木下訓明】
August 12, 2021 at 06:15PM
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