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ソニー「ZV-E10」はレンズ交換できる民生用ビデオカメラ 新しい市場を作るか - ITmedia

tsukuru.prelol.com

 やはりソニーは面白い。ここぞと思ったら中途半端で終わらせない、という強さだ。7月27日の深夜に発表した「VLOGCAM ZV-E1」を見て改めてそう感じた。

「VLOGCAM ZV-E1」。キットレンズはE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS

 2013年の「α7」登場時、そのデザインはけっこう酷評されたし、当時はまだ一眼レフの方が強く、ミラーレス一眼の主戦場はマイクロフォーサーズやAPS-Cサイズだった。

 でもα7のデザインコンセプトを変えず、2代目、3代目(途中で高画素版のRや高感度版のSも展開しつつ)と着実に進化し、とうとうデジタル一眼のトップに立ったのだ。

 今や、α7シリーズを使ってるプロカメラマンも(若い人を中心に)すごく増えてる。

 で、このままαシリーズを発展させていくのかと思いきや、αだけどαじゃない、Cyber-shotだけどCyber-shotじゃない新しいシリーズを手がけたのだ。

 それが2020年6月に発売した「VLOG CAM ZV-1」。

2020年6月に発売した「VLOG CAM ZV-1」

 もともとソニーのカメラは動画にも強かった。やっぱ自社でシネマカメラも開発してるし。でもαシリーズは「動画に強いデジカメ」だった。

 ZV-1は見た目や基本技術はCyber-shotそのものなのだけど、「写真も撮れるビデオカメラ」になったのである。映像作品を撮るためのビデオカメラではなく、民生用ビデオカメラ。

 かつて民生用ビデオカメラといえば「運動会需要」が主だったのだけど、ビデオカメラのニーズがYouTubeとかV-logとかリアルタイム配信にシフトしたのに合わせて定義し直したのがZV-1だと思う。

 「RX100」シリーズをベースにしながら、動画を撮りやすいようモニターをバリアングルにし、ポップアップ式ファインダーを外して代わりに(ほぼウインドスクリーン装着用の)アクセサリシューを付け、動画撮影には不要な撮影モードダイヤルを排除。

撮影モードダイヤルを排除したZV-1

 RX100シリーズのバリエーションに見えながら、よく見ると動画撮影に特化しているのだ。

レンズ交換式「VLOGCAM ZV-E10」の誕生

 そして2021年に登場するのがZVシリーズのミラーレス一眼バージョン、VLOGCAM ZV-E10だ。RX100系がZV-1に変身したように、α6xxx系がZV-E10になった。

オンライン発表のプレゼン(https://www.youtube.com/watch?v=Bl-3zDQZa-Y)より。ミラーレス一眼のZV-E10誕生

 ZV-1と同じく、背面モニターはバリアングルになり、EVFは省略され、撮影モードダイヤルは廃止され、動画撮影に不要な操作系は(おそらく)メニューの中に入った。

撮影モードダイヤルはなく、写真と動画とスロー&クイックをボタンで切り替える仕様に。これだけでも写真がメインじゃないってのが分かる

 写真も撮れるV-log向きビデオカメラとして再設計されたのである。

 面白いのはズームレバーが付いていること。対応したパワーズームレンズでしか使えないが、手軽に手持ちで動画を撮るときのズーミングは電動の方が安定するのでそれを想定しているのだろう。

ズームレバー付きなのも特長の1つだ

 ボディ内手ブレ補正もない。動画撮影時は電子式の手ブレ補正で賄えるからだ。静止画撮影時の手ブレ補正は手ブレ補正機構を持つレンズを使ってね、ということだ(まあα6400まではボディ内手ブレ補正を持たなかったので、EマウントのAPS-Cサイズ用レンズは基本的に手ブレ補正内蔵だし)。

 そして、VLOGCAMとしてZV-1より優れているのはセンサーが大きいこと。

 例えば「背景ぼけ切換」ボタン。センサーが大きい分背景ぼけの効果も大きいし、「商品レビュー用」ボタンを押したときのフォーカスの移動もより際立つ。

 さらにセンサーが大きい分、暗所にも強い。

 今までスマホで撮っていた人にとって(オンラインのプレゼンでもスマホの映像と比較していたし)、その差が如実に見えるのは魅力的なはずだ。

スマートフォンとのボケの比較。右側が「ZV-1」とあるが、これはたぶん「ZV-E10」の間違い(英語版のプレゼンでは「Z−E10」になってた)

 α7シリーズの優れたAF(リアルタイム瞳AFやリアルタイムトラッキングAF)を使えるのもでかい。

 マイクもZV-1と同様に3カプセルマイクを内蔵し、ウインドスクリーンも付属している。

Vlogにマイク性能はとても大事。内蔵マイクはおそらくZV-1と同じ。アクセサリシューには専用のマイクも装着できる

 そして何より驚いたのは価格だ。市場推定価格は消費税込みで7万8000円前後。

 確かに、EVFはないしボディ内手ブレ補正機構もないしでコスト的には有利なのだけど、レンズキット(8万9000円前後)でもZV-1より安いのだ。

 明らかにZV-1より本格的な映像を撮れて、レンズ交換もできるのに、安いのである。本気で新しい市場を作りにきてるな、というのが分かる。

 細かいところは実機が来たらレビューする予定なのでそのときにってことで、発表を見た感想としては「今の時代に合わせた写真も撮れるビデオカメラとしては出色の出来」といっていいんじゃないかと思う。

 あらたに動画メインの良いカメラが欲しい人のみならず、α7やα6xxxで写真をメインに撮ってたけど映像もそろそろやりたいって人が、動画専用サブ機として手を出すには最適だと思う。レンズもそのまま使えるし。

α7CのZVバージョンも来る?

 こうなると気になるのはフルサイズセンサー機。

 ZV-1から数カ月後に登場したα7CはV-logを意識した設計で、デザインもα6xxx系に近いしモニターはバリアングルだし、コンパクトだし、でもEVFはついてるしZVシリーズのようなマイクも搭載してない。V-logを意識はしてるけど、まだ動画が得意なスチルカメラの域を出てない(だからα7シリーズなんだけど)。

 こうなると来年あたり、α7CのボディをベースにしたZVシリーズが登場し、ZVシリーズはいずれ電子シャッターのみになり、と、どんどんαシリーズとは異なった進化をしてくれるんじゃないかという気がしてるのである。

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July 28, 2021 at 06:47AM
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