以前は、私たちの身近にあって、たくさんの職人たちが手掛けていた、懐かしい物たち。しかし、時代とともにその灯は小さくなり、揺らいでいます。 日本で数えるほどしかいない貴重な存在となりつつある職人と、その手仕事を紹介します。 『婦人画報』2021年7月号より
セルロイド人形職人
「ミーコ」と名付けられた人形の素材は、懐かしいセルロイド。軽くてなめらかな手触りに、えも言われぬ郷愁がこみ上げてきます。この人形を作る職人は、日本で平井英一さんただひとり。祖父の代から続くセルロイド工房の3代目として、熊手に飾る縁起物などを製作してきましたが、昭和30年代になるとセルロイド製品は下火に。塩化ビニールに取って代わられるようになり、平井さんも、塩ビのお面などをメインの仕事にしていました。
ミーコを作り始めたきっかけは、おもちゃコレクターの北原照久氏からの注文でした。 「父が人形の金型を1種類だけ残していて、一緒に作ってみたら思いのほかいい出来栄えで。結局それは売れなかったんだけど、50の手習いでホームページを立ち上げて、自分で販売し始めたんです」。ほどなくして人形愛好家やセルロイド玩具コレクターの間で人気となり、20年経ったいまもファンがいます。
「昔は多くの生活用品がセルロイド製でした。燃えやすいというので廃れてしまいましたが、もとはセルロースと樟脳、植物由来だから燃えても有害物質が出ず、環境負荷をかけにくいんです」と平井さん。 現在のセルロイドの主要産地である中国では、セルロイドのよさを取り入れた新しいプラスチックの開発も進んでいるのだとか。 写真は、薄い板状になったセルロイドを2枚重ねて、薄く石鹸水を塗った金型に挟み、180℃でプレスしたあとに水をかけて冷ましてできた人形の顔と体。
とはいえ、「セルロイドが復活することはもうないでしょうね」と平井さん。原材料の価格は高騰し、金型を作れる職人もいません。「でも、最後に少しでもセルロイドをもり立てたくて、頑張っています」 写真は、ミーコの顔を描く作業。平井さんと奥さんのふたりで分担しています。手描きの揺らぎもまた個性に。 セルロイド・ドリーム 東京都足立区辰沼2-14-2 tel.03-3605-7724
July 03, 2021 at 07:02PM
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