<エンジン車と既存の給油施設が使えるCO2排出実質ゼロのeフューエルでEVを補完する技術を目指す>
独自動車大手フォルクスワーゲン・グループ傘下のポルシェは、チリのパイロットプラントで夢の合成燃料「eフューエル」の試験的な生産を開始。近々、自社のレーシングカーでその性能をテストする。
ポルシェは、フォルクスワーゲンが推進する電気自動車(EV)開発を補完する技術として、環境に優しい合成燃料の開発を進めてきた。
同社はこの路線をeモビリティ(EV化)とeフューエルの「2つのe」を追求する「ダブルeパス」と命名。エンジン車のためのカーボンニュートラルな代替燃料であるeフューエルの開発・実用化を通じて、新たな合成燃料産業を創出する構想をぶち上げてきた。
eフューエルの試験生産が始まったチリのハル・オニ工場は、ゆくゆくは施設を拡張して本格的な操業に移行し、2020年代末には年間約5億5000万リットルのeフューエルを生産する計画だ。
eフューエルは、水を電気分解して作ったグリーン水素と大気中から分離したCO2で合成メタノールを作り、それをさらに加工した燃料で、ガソリン車とディーゼル車に使用できる。燃やせばCO2が発生するが、このCO2は元々大気中から取り込んだものなので、CO2排出量は実質ゼロとなる。また製造工程で使用される電力は、全て風力と太陽光発電で賄われる。
「エンジン存続」のパイオニアに
12月20日にハル・オニ工場の開所式に出席したポルシェの取締役(購買担当)のバーバラ・フレンケルは、EVを補完する技術としての合成燃料開発にかける自社の並々ならぬ意欲を語った。
「eフューエルの使用でCO2排出量を削減できる。交通部門全体を俯瞰するなら、合成燃料の大規模生産を世界中で推進する必要性があるのは明らかだ。eフューエルの試験生産で、わが社はこの分野の先陣を切る」
チリ最南端の港湾都市プンタアレナスにあるハル・オニ工場の開所式には、チリのディエゴ・パルドウ・エネルギー相も駆けつけた。フランケルと同じくポルシェの取締役のミヒャエル・シュタイナーが、この工場で初めて合成されたeフューエルをポルシェ911の燃料タンクに入れるセレモニーを行った。
シュタイナーとフランケルによると、チリは風力・太陽光発電の実績があり、独エネルギー企業シーメンス・エナジーの既存の輸送施設も使えることから、プラント建設に最適だったという。チリの事業会社ハイリー・イノベーティブ・フューエルズ(HIF)に加え、シーメンスとエクソンモービルもこのプロジェクトに参加している。
December 22, 2022 at 05:00PM
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水とCO2から作るポルシェがこだわり抜いた合成燃料、試験生産が始まる - Newsweekjapan
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