2023年7月に開催されたフードテックイベント「SKS JAPAN 2023」リポート第2弾。食にかかわる製品やサービスの中で最近注目度が高まっているキーワードが、「パーソナライズ」。ヘルスケア分野では個人に最適化した栄養素を提案・提供する「パーソナライズドニュートリション」が今後伸長するとみられており、食の分野でも同様の方向性だ。どのようなアプローチが生まれているのか、複数のセッションからひもといていきたい。
AIが一人ひとりに最適な食事を提案
SKS JAPAN 2023で行われた「医食同源はどう進化するか~Personalized Nutritionの現在地」セッションでは、パーソナライズドニュートリションについての議論が交わされた。
一人ひとりの食事をAI(人工知能)で分析し、個別に最適化した栄養食を提案するのが、ウェルナス(東京・杉並)が2023年1月に提供を開始した「NEWTRISH(ニュートリッシュ)」だ。
ウェルナス代表取締役の小山正浩氏は、「ダイエットしたいのであれば、毎日の体重と何を食べているかを記録し、それを解析することでその人の体重を減らす栄養素、増やす栄養素を出せます。一般的に血圧を下げるために必要なのが減塩ですが、実は塩分を摂取した方がいい人もいます。この技術をアプリに落とし込みました」と語る。
「これまでの食のレコメンドは画一的な指導になっていたと思います。日本人の食事摂取基準より多ければ少なくしましょう、少なければ多くしましょうという指導でした。しかし、それは『自分にとってバランスの良い食』ではないのではないかと我々は考えていました。本当にバランスの良い食を取るためには、自分のデータを取らなければいけません。今は食事の写真を撮れば栄養素を推定でき、ウエアラブルデバイスでバイタルデータも取れるなどデジタル化が進んだことで、個別の食のレコメンドができるようになりました。これからは、日々の変動データに基づいてパーソナライズした提案を行うのが、一番重要な差別化ポイントになるのではないかと考えています」(小山氏)
一方、腸内環境に着目したのがメタジェン(山形県鶴岡市)だ。同じご飯を食べても、誰もが同じように栄養を取れないのはなぜかというと、腸内環境、つまり腸内細菌の生息状況が一人ひとり異なるからだとメタジェン取締役CFO(最高財務責任者)の水口佳紀氏は語る。
「微生物の力で人の体に良い成分が作られることを『発酵』、逆に悪い物が作れられることを『腐敗』と呼びます。体内でも発酵と腐敗が起きており、いい発酵が起きていい代謝物質が作られると健康につながりますが、腐敗して悪い物質などが作られると病気につながってしまいます」(水口氏)
メタジェンでは15年の創業時から独自の腸内環境データベースを作っており、「どういう腸内環境の人が何を食べたらどう腸内環境が変わるのか、どう代謝物質を生産して食品の効果が得られるのかというデータをためています」(水口氏)と言う。これを基にして、カルビー、サイキンソー(東京・渋谷)と共同開発したのが、その人の腸内環境に合わせたグラノーラを提供するサブスクリプションサービスの「Body Granola(ボディグラノーラ)」だ。
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September 06, 2023 at 10:00PM
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3Dプリンターで作る「栄養最適化グミ」 食のパーソナライズ最前線 - 日経クロストレンド
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