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三井住友海上プライマリー生命保険が販売開始した「AHARA(アハラ)」は、すべての手続きがスマホアプリで完結する新しい年金保険だ。この保険商品のバックグラウンドは、みんなの銀行が提供するAPI(更新系の「口座振替API」と参照系の「本人確認済情報提供API」)が支えている。両社の担当者4人がBaaSの活用法や共創成功のポイントなどについて語った。
連携先の要件に対するビジネス、開発双方の理解が重要
銀行が外部事業者との安全なデータ連携のためにAPIを公開する「オープンAPI」が法律上努力義務になってから(2017年5月 「銀行法等の一部を改正する法律」の成立 、2018年6月施行)数年が経ったものの、銀行APIがビジネスモデルを変えるようなDX領域で使われる事例は多いとは言えない。そのような環境下で三井住友海上プライマリー生命の年金保険に組み込む形で更新系APIを提供しているみんなの銀行が、どのような方針で事業を展開しているかを紹介する。
同行は2021年5月にサービス提供開始した「日本初のデジタルバンク」であり、APIを通じ銀行の機能・サービスをクラウドサービスとして提供するBaaS(Banking as a Service)事業を手がけてきた。
みんなの銀行でBaaS事業をけん引する吉冨 史朗氏は「当行は、BaaS事業を行うために作ったといっても過言ではない」と話し、「設立のコンセプトとして銀行機能をクラウドで外部提供することを掲げ、差別化を図ってきた」と述べる。
そのベースには、「デジタルバンクとしてBaaS事業を行う基盤としてフルクラウドで基幹システムを構築したという、他行にないアドバンテージを生かしていくという考え方がある」ということだ。
また、BaaS事業の基本的な考え方は、「プロダクトにいかに銀行機能を組み込みやすくするか」という点にある。そのために「BtoCのサービスも含め、いかにミニマルにサービスを作るかというのがキーワードの1つである」と吉冨氏は話した。
「デジタルの世界でいかに有機的に価値共創できるかという観点では、サービスをミニマルに作り、組み込みやすくするというのが、最も大きな差別化戦略ではないかと思います」(吉冨氏)
BaaS事業の肝「エンジニアとのコミュニケーション」
BaaS事業の肝に「エンジニアとのコミュニケーション」を挙げるのは同じくBaaS事業を担うみんなの銀行 後井 大輔氏だ。後井氏は「我々がBtoCで個人のお客さま向けに提供している機能を切り出して、外部のさまざまなサービスと連携させることで新しい価値を生み出していくためには、連携先のビジネス要件、すなわちみんなの銀行と連携することで、何が、どのように実現できるかという要件を、ビジネスサイドが理解し、エンジニアたちとコミュニケーションを取るというのが一番重要」と語る。
内製でサービス開発を行っていることもポイントの1つだ。「我々が開発サイドに寄り添い、開発サイドが、我々ビジネスに寄り添うという、両者の抱える知見や経験を持ち寄りながら開発を進めるというのが、企業風土として推奨、定着していたということはある」と後井氏は述べた。
吉冨氏も「外注のパートナーがシステムを開発することが多い既存の金融機関との違い」として、内製化をポイントに挙げる。「要求仕様のとおりに、この金額で開発しなさいという接し方ではなく、同じ社内にいる社員=エンジニアによる内製ということで、お互い尊重しないと、開発が進んでいかないというのも、共創という意味では差別化要因となっているのではないか」ということだ。 【次ページ】組込型金融はどう作る?「価値」をベースにする必要性
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September 19, 2023 at 04:34AM
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